当記事はセラミックコーティングをDIYでお考えの方に向けて発信する記事となります。
昨今では、一般に普及するガラスコーティングよりも更に深い光沢・ツヤ感を得られる他、耐擦り性能や耐薬品性能に優れており、持続性・寿命にも期待できるため、セラミックコーティングが人気を集めています。
セラミックコーティングは従来のコーティングに比べ、高い効果性に比例して施工代金が平均よりも高く設定され、取り扱い店舗も少ないのが現状です。
通販商品などでもセラミックコーティング剤は出回っており、DIYを検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、プロの視点で申し上げますと、専門店レベルのセラミックコーティングを自分で施工(DIY)するのは難しく、おすすめできません。
セラミックコーティングのDIYがおすすめできない4つの理由
セラミックコーティングのDIYがおすすめできない理由としては下記の4つです。
①本来の効果性は期待出来ない
②徹底的な下地処理が必要
③失敗時の修正が難しい
④効果の最大化に「専門設備」が必要
下記で詳しく説明します。
①本来の高い効果性は期待出来ない
セラミックコーティングのDIYがおすすめできない理由の①として、セラミックコーティング本来の高い効果性は期待出来ない事が挙がります。
コーティング剤にはどんな成分や濃度でなくてはならないという、『定義やルール』は存在せず、セラミックコーティングの定義も厳密に定まっているわけではありません。
「セラミックコーティング」と商品名で謳っているコーティング剤は通販サイトなどで販売されていますが、ガラスコーティングと同じ成分のものを販売メーカーがセラミックコーティングと称して販売している場合も多く、専門店が扱っているセラミックコーティング剤とは成分や濃度が異なるため、DIYの場合には、セラミックコーティングに期待する本来の効果性は期待できません。
②徹底的な下地処理が必須
2つ目の理由として、セラミックコーティングの性能を引き出す為にはコーティング施工前に行う徹底的な下地処理が必須です。
下地処理を丁寧に行い、コーティングの塗装密着性を向上させる事で「仕上がり時の光沢・ツヤ感」や、「被膜の持続性・寿命」も比例して向上しますが、塗装面を整える為に必須な研磨作業には、電動ポリッシャーと塗装面をいためないように行うプロの磨きの技が必要になります。
③失敗時の修正が難しい
3つ目の理由として、DIYで施工した場合に最も多い失敗が「ムラの発生」です。
目視を徹底しながらセラミックコーティングを丁寧に塗り込み・拭き取り作業をしているつもりでも、完了後にムラが見えてくるケースも多くあります。
ムラになってしまった塗装を修正するには、研磨作業で塗装面に硬化したセラミックコーティングの形成被膜をポリッシャーで剝がす工程が発生し、研磨作業の程度がわからない方がやってしまうと形成被膜と一緒にクリア塗装を剥がして下地に達してしまう可能性もあり、修正に失敗してしまった場合には別途費用が掛かってしまいます。
④効果の最大化に「専門設備」が必要
4つ目の理由としてはセラミックコーティングの効果を最大化させるには「専門設備」が必要になる点が挙がります。
セラミックコーティングの効果を最大化するためには、クリーンルーム、純水機、遠赤外線ヒーターやライトが必要です。
クリーンルームでは、ホコリやゴミなどの不純物がコーティング面に付着するのを防ぎ、温度や湿度管理が適切にできる環境で作業が行えます。
純水機を使用することで、コーティング前の洗浄において不純物のない水を使用することができます。
また、遠赤外線ヒーターやライトは、コーティング剤の硬化を促進し、より耐久性の高い仕上がりを実現します。
このようにセラミックコーティングは、しっかりとした設備と知識のあるプロの施工店に依頼するのがおすすめです。
参考記事:車のガラスコーティングを自分で簡単にやる方法をプロが暴露
まとめ
今回はセラミックコーティングを自分で施工する(DIY)可能?についてお伝えしました。
残念ながらセラミックコーティングは自分での施工には向かないという結論になってしまいましたが、愛車を輝かせるために完璧な仕上がりを求めるのであれば、セラミックコーティングの施工をご検討の方はカーコーティング専門店へ依頼しましょう。
著者情報
株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史
2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。