プロが教えるウォータースポットの取り方｜おすすめ除去剤と業者依頼の費用を解説｜カービューティーIIC

愛車をきれいな状態で維持するうえで、避けて通れないのがウォータースポットなどのシミです。雨と汚れが混ざり合うことで固着しやすく、特に青空駐車の場合は注意が必要です。軽度なものであれば比較的簡単に取れますが、塗装表面に浸透してしまうと通常の洗車では落とせません。

ウォータースポットの取り方が分からず、困っている方もいるのではないでしょうか。最も有効なのは専用の除去剤を使う方法ですが、作業前に理解しておくべき注意点もあります。

この記事では、ウォータースポットの除去方法やおすすめの除去剤、専門店に依頼した場合の費用について詳しく解説します。

ウォータースポットとは？イオンデポジットとの違い

一口に雨シミといっても、「ウォータースポット」と「イオンデポジット」では発生の仕組みや影響が異なります。どちらも水道水や雨水に含まれるミネラル分が原因で付着しますが、状態や対処法は大きく異なります。

イオンデポジット は、水滴が乾燥する際にカルキや塩素などのミネラルが塗装面に残った状態です。表面に付着しているため、専用の除去剤を使えば比較的簡単に取り除くことができます。ウォータースポット は、イオンデポジットが悪化し、塗装面を陥没させてしまった状態です。この場合、除去剤では取り除けず、ボディ研磨による磨き作業が必要になります。

ただし、双方の明確な線引きは難しく、複数の取り方を試してみることが大切です。

関連記事：イオンデポジットとウォータースポットの原因と5つの対策を解説

軽度なウォータースポットの取り方は専用除去剤がおすすめ

前述の通り、ミネラル成分などがボディに残るとイオンデポジットが発生し、そのまま放置すると塗装面にダメージを与え、ウォータースポットへと進行します。塗装面が陥没してしまうと研磨が必要になりますが、明らかな凹凸がない状態であれば、専用の除去剤を使うことで除去できる可能性が高いです。

専用除去剤は、ウォータースポットの成分を溶かして除去するものや、軽くこすることで汚れを落とすタイプなどさまざまです。ボディの状態やシミの程度に応じて、適切なウォータースポット除去剤を選びましょう。

【要注意】ウォータースポット除去剤には2種類のタイプがある

軽度なウォータースポットにおすすめの除去剤ですが、選ぶ際には主に2つのタイプがあることを理解しておきましょう。1つ目は「シミの成分を溶かして除去するタイプ」です。ウォータースポットに有効な酸性の成分が含まれており、塗装表面に塗布して指定の時間放置すると、成分が浸透しシミを分解・除去できます。

2つ目は「研磨剤を使用して物理的に削り取るタイプ」です。微粒子研磨剤が含まれており、シミを物理的に削って除去します。溶かすタイプよりも除去力が高いものの、強くこすりすぎると細かい傷が目立つことがあります。

また、ガラスコーティング施工車の場合はコーティング被膜が剥がれるリスクがあるため、使用時には注意が必要です。濃色車用やコーティング施工車用の除去剤もありますので、ボディに合ったものを選んでみましょう。

関連記事：コーティング車のウォータースポット対策｜除去方法と業者に頼む場合の注意点

ウォータースポットなどのシミにおすすめの除去剤

コーティング専門店・カービューティーアイアイシーでは、普段の業務で培ったノウハウを活かし、高品質な除去剤をDIY用として販売しています。プロの現場で使用される実績のある製品を自宅でも手軽にお試しいただけます。

ここでは、特におすすめのウォータースポット除去剤について特徴や使い方を紹介していきます。

SCHILD®イオンデポジット除去剤【コーティング車対応】

SCHILD® イオンデポジット除去剤は、塗装面に付着した頑固なイオンデポジット（雨染み・水シミ）を簡単に除去できる業務用のクリーナーです。コーティング専門店・カービューティーアイアイシーでも使用されており、市販品と比べて高い洗浄力を発揮します。

使い方はシンプルで、塗布して拭き上げるだけの3ステップで施工が完了します。研磨剤を使用していないため、コーティング施工車にも安心して使えるのが特徴です。無機酸塩やキレート酸がカルシウムやケイ素を化学分解し、塗装面を傷めることなくイオンデポジットを除去できます。

また、時短できる点も魅力で、忙しい方でも手軽にメンテナンスが可能です。業務用ならではの強力な洗浄力で、市販のクリーナーでは落としにくいシミにも対応しています。イオンデポジットによるシミ汚れに悩んでいる方におすすめの一品です。

SCHILD® イオンデポジット除去剤はこちら

SCHILD® 水垢除去剤(淡色車専用)＋スポンジ

SCHILD® 水垢除去剤（淡色車専用）は、カーシャンプーでは落としきれない頑固な水垢を除去できる専用クリーナーです。微粒子研磨剤が含まれており、塗装面のくすみや白濁を改善しながら、ボディの下地を整えることができます。

施工は4ステップで完了します。まず、砂やホコリを落とすために洗車を行い、付属のスポンジに除去剤を適量のせます。塗装面が濡れた状態で液剤を塗布し、スポンジを縦横に優しく動かしながら水垢を浮かせていきます。その後、水でしっかり洗い流し、マイクロファイバークロスで拭き上げれば完了です。

研磨剤配合ですが、適切な方法で使用すれば塗装面を傷めることなく、淡色車の輝きを取り戻せます。コーティング前の下地処理にも最適なアイテムです。

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SCHILD® 水垢除去剤（濃色車専用）＋スポンジ

SCHILD® 水垢除去剤（濃色車専用）は、濃色車のボディに固着した水垢を除去する専用クリーナーです。カーシャンプーでは落としきれない汚れに効果を発揮し、くすみや白濁の解消にも役立ちます。微粒子研磨剤を含んでおり、塗装面の下地を整えながらクリアな仕上がりへ導きます。

使用方法は、まず砂やホコリをしっかり洗い流し、塗装面を濡れた状態に保ちます。付属のスポンジに除去剤を適量のせ、縦横にやさしく動かしながら汚れを浮かせていきます。その後、水で十分にすすぎ、マイクロファイバークロスで拭き上げれば完了です。

濃色車専用の処方となっており、淡色車に使用すると傷の原因となるため注意が必要です。また、新車のような綺麗な塗装面への使用は避け、必ず目立たない箇所で試してから施工しましょう。しっかりと洗い流し、強く擦りすぎないようにすることで、安全に水垢を除去できます。

SCHILD® 水垢除去剤（濃色車専用）はこちら

専用除去剤を使用したウォータースポットの取り方

ウォータースポット除去剤は、シミを効果的に落とすために強めの成分が配合されています。そのため、適切な方法で使用しないと塗装面にダメージを与える可能性があるため注意が必要です。

ここでは、除去剤を使用した一般的なウォータースポットの取り方を解説します。

洗車で表面の汚れを洗い流す

まずは洗車で表面の汚れを取り除いていきます。いきなり除去剤を使用すると、汚れを引きずってしまい、細かな線傷が入る原因になります。また、表面の汚れが残っていると、除去剤の成分がウォータースポットにしっかり浸透しにくくなります。

いつもの感覚で、全体を優しく洗車しながら、塗装面に付着したホコリや砂をしっかり洗い流しておきましょう。洗車した後は、泡を洗い流すだけで水分を拭き取る必要はありません。（※商品によってはボディを乾燥させてから使用することもあります）

ボディが濡れた状態で専用除去剤を塗布する

ボディがしっかり濡れた状態で、専用除去剤を塗り広げていきます。塗装面が乾いた状態で使用するとシミの原因になるため、必ず濡れた状態を保ちながら作業を進めましょう。

成分を浸透させてシミを除去するため、力を入れる必要は一切ありません。微粒子が配合された研磨タイプの除去剤を使用する場合も、ボディを優しくなでる程度の力加減で作業することが大切です。

車のサイズが大きい場合は、こまめに水をかけながら、乾燥させないように作業を進めていきます。

一定の時間放置して除去成分を浸透させる

ボディ全体に塗り広げた後は、商品に記載されている時間で放置し、成分を浸透させます。放置時間が短すぎると十分な効果が得られず、長すぎると塗装にダメージを与える可能性があるため、説明書の指示通りの時間を守ることが大切です。

ボディが大きい場合、塗り始めた部分と塗り終わった部分で時間に差が出ることがあります。そのような場合は、半分ずつに分けて作業するなどして、なるべく均等な時間放置するようにしましょう。

水で洗い流してから再度洗車する

最後は、上から下の順で水をかけて除去剤を洗い流し、再度洗車していきます。除去剤は成分が流れ落ちにくいように粘度が高く作られているものが多く、軽く水をかけただけでは残ってしまうことがあります。

そのため、水で流すだけでなく、洗車を行いながら成分をしっかり落とすようにします。特に、グリル部分やワイパー、ミラーの隙間などは成分が残りやすいため、細かい部分まで十分に水をかけることを意識しましょう。

ウォータースポットなどのシミ除去剤を使用する際の注意点

ウォータースポット除去剤には強めの成分が含まれており、シミを効果的に落とせる一方で、塗装表面にも影響を与える可能性があります。そのため、適切な方法で扱わないと、逆にダメージを与えてしまうこともあります。

ここでは、除去作業で特に多い失敗例を交えながら、注意すべきポイントについて解説していきます。

炎天下で作業しない

除去剤を使用する際は、炎天下での作業を避けるようにしましょう。特に濃色車は太陽の熱を吸収しやすく、ボディがすぐに熱くなります。気温が高い状態で作業すると、わずか数分の放置でも表面の水分が乾き、除去成分が焼き付いてしまうことがあります。

成分が焼き付くと、塗装の色が変色したり、シミが落ちにくくなったりして、研磨しなければ取れなくなる可能性があります。屋根がない場合は、曇りの日に作業するか、こまめに水をかけて乾燥を防ぐことが大切です。また、普段の洗車時も水滴が乾くことでイオンデポジットが発生するため、なるべく屋根のある場所で作業するようにしましょう。

強くこすって除去しようとしない

シミを落とそうとして強くこすりすぎると、ボディ全体が細かい線傷だらけになってしまうことがあります。塗装面は非常にやわらかく、強めに拭いただけでも傷がついてしまうため注意が必要です。

除去剤を塗布する際は、指を立てて力を一点に集中させず、手のひら全体でなでるように塗り広げましょう。また、同じ箇所を何度もこすりすぎないことも大切です。

力を分散させるコツとして、ウエスやスポンジを折りたたんで厚みを持たせるのが有効です。適度な力加減で作業することで、塗装面を傷めることなくシミを除去できます。

指定時間以上に除去剤を浸透させない

除去剤を使用する際によくあるのが、指定時間以上に放置してしまい、シミになったりボディが変色したりするしっぱいです。「シミに成分を浸透させたいから」と商品に記載された時間以上に放置すると、成分が塗装表面にも影響を及ぼします。

すぐに変色するわけではありませんが、経年劣化で塗装が傷んでいる場合は特に注意が必要です。必ず指定の時間を守り、長時間の放置は避けましょう。塗装が劣化している場合は、まず目立たない部分で変色やダメージが発生しないか確認してから全体に施工するのが安全です。

重度なウォータースポットの取り方はボディ研磨しか方法がない

ウォータースポットは、ミネラル成分などが乾燥してできたイオンデポジットが悪化したシミであり、時間が経過するとボディ表面に浸透し、凹凸が生じ始めます。

この状態にまで進行すると、除去剤では見た目の悪さを軽減することはできても、完全に除去するのは難しくなります。シミが深く入り込んでしまった場合、確実に除去するにはボディ表面を磨くしかありません。

市販の研磨剤を使った手磨きも可能ですが、ボディ全体を均等に磨くのは難しく、大きな面積を磨くには非常に手間がかかります。ムラなく仕上げるためにも、機械による研磨を検討しましょう。

ウォータースポットが取れない時は専門店に依頼するのがおすすめ

ポリッシャー（研磨機）を使用してウォータースポットを除去する場合は、専門店への依頼をおすすめします。コーティング施工の経験が豊富なプロが対応するため、ボディの状態に合わせた適切な磨き作業が可能です。

また、仕上げ磨きの工程でスポンジバフを使用すれば、細かな線傷も除去でき、新車のような輝きを取り戻せます。必要に応じて、そのままコーティングを依頼することも可能です。

コーティング施工を依頼すれば、磨き作業も料金に含まれているため、シミがあるからといって基本的に追加料金が発生することはほとんどありません。ボディ全体のメンテナンスを考えるなら、専門店に依頼するのが最適です。

関連記事：車のコーティングの価格相場ってどれくらい？こっそりプロが教えます

ウォータースポットの除去を業者に依頼した場合の費用

ウォータースポットの研磨除去を依頼する場合、コーティング専門店のほかにも対応しているお店があります。店舗によって料金や作業内容に違いがあるため、どこに依頼するかを決める際には事前に確認しておくことが大切です。

ここでは、オートバックス・キーパープロショップ・専門店の磨き料金について紹介していきます。

オートバックスの場合

オートバックスでは、車検やオイル交換のほかに、車内外のリフレッシュメニューも提供しています。その一環としてボディコーティングがあり、施工時には磨き作業も含まれています。

今回、詳細について問い合わせたところ、「磨き作業のみの対応は行っておらず、コーティングを依頼した場合でも、簡単な下地処理にとどまり、シミなどを完全に除去するような本格的な磨き作業は含まれていない」とのことでした。

ただし、店舗によって対応が異なる場合もあるため、事前に車を見てもらい、相談するのがよいでしょう。なお、ボディコーティングの施工料金は、おおよそ8万～15万円程度とのことでした。

参考：ピットサービス｜AUTOBACS

キーパープロショップの場合

キーパープロショップでは、ボディコーティングのほかに、サイドメニューとして下地処理作業を依頼することも可能です。特に「花粉のシミ取り」や「精密研磨」などは、ウォータースポットの除去に適したメニューと言えます。

公式サイトには具体的な料金の記載はなく、問い合わせたところ、シミの状態や範囲によって料金が異なるため、明確な料金表は設けられていないとのことでした。そのため、シミの除去を検討している場合は、まず店舗でスタッフに車の状態を確認してもらい、見積もりを取ってみましょう。

参考：車のあらゆる汚れを解決する｜KeePer技研株式会社

コーティング専門店の場合

コーティング専門店では、基本的に磨き作業のみのメニューは設けられていません。しかし、日常的に磨き作業を行っているため、相談すれば対応してもらえる可能性は高いと言えます。実際に複数の店舗に問い合わせたところ、すべての店舗で磨き作業の対応が可能とのことでした。

料金は、シミの状態や範囲によりますが、おおよそ4万～8万円程度が目安です。さらにボディコーティングを依頼すれば、より美しい仕上がりになり、シミや汚れから長期間愛車を守ることができます。また、コーティング施工後は定期的なメンテナンスを受けられる店舗もあるため、長くきれいな状態を保ちたい方にはおすすめです。

まずはお店に相談し、自分の車に合った最適なプランを確認してみましょう。

ウォータースポットは正しい取り方で対処しよう

ウォータースポットとは、イオンデポジットが悪化して塗装面に浸透したシミのことを指します。軽度なものであれば、専用の除去剤を使うことで除去可能です。まずは洗車で汚れを落とし、適切な除去剤を使用しましょう。以下が当記事のまとめとなります。

・ウォータースポット除去剤の種類は2種類ある
　「シミの成分を溶かして除去するタイプ」⇒酸性の成分が浸透しシミを分解・除去
　「研磨剤を使用して物理的に削り取るタイプ」⇒微粒子研磨剤が含まれており、シミを物理的に削って除去
・使用手順は洗車⇒ウォータースポット除去剤塗布⇒一定の時間放置⇒水洗い⇒洗車
・重度のウォータースポットの場合は知識の豊富な専門店での研磨作業がおすすめ
・研磨作業は施工店によって費用が変動する

ウォータースポット除去剤を使う際は、炎天下での作業を避け、強くこすりすぎないことが大切です。また、指定時間以上に放置するとシミが悪化したり、塗装に影響を与えたりするため、使用方法を守りながら作業しましょう。

この記事がウォータースポットでお悩みのオーナー様の参考になれば幸いです。