洗車機コーティングは効果がある?エネオスを例にメリットや料金を紹介のアイキャッチ画像

洗車機の技術は年々進化しており、最近では洗車だけでなく、自動でコーティングまでできるタイプも増えています。全て自動で作業が進むため、わずか数分で完了する手軽さが特徴です。

洗車機のコーティングがどれくらいの料金なのか、専門店での施工と比べて効果にどのような違いがあるのか、気になる方もいるでしょう。この記事では、洗車機コーティングの仕組みや施工料金、専門店との違い、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

洗車後に簡単に施工できるDIYコーティングも紹介しますので、目的に合った方法を試してみてください。

最近の洗車機は洗車だけでなくコーティング施工もできる

最近の洗車機は洗車だけでなくコーティング施工もできる

技術の進歩により、最近の自動洗車機はさまざまなメニューに対応できるようになっています。最もシンプルな水洗い洗車から、シャンプー洗車、さらにはボディに艶や撥水効果を与える「ポリマーコート」まで自動で施工可能です。

これまでは、洗車以上の仕上げを希望する場合、ガソリンスタンドのスタッフが手作業でコーティングを行うのが一般的で、専門店ほどの時間はかからないものの、1~2時間ほどは必要でした。

しかし、最近では一部の洗車機で、耐久性の高い「ガラス系コーティング」まで自動施工できるものも登場しています。これらのメニューはすべて機械が自動で作業を行うため、数分ほどで施工が完了します。

洗車機コーティングの流れと仕組み

洗車機コーティングの流れと仕組み

洗車機でのコーティング施工は、メニューを選び所定の位置に停車すると作業が始まります。コーティングを含むメニューは、通常の水洗いやシャンプー洗車に加え、撥水やガラス系コーティング剤を塗布する工程が組み込まれています。

まずは車全体に水をかけて汚れを浮かせた後、専用の洗剤とブラシで洗浄を行う、一般の洗車と同じ内容です。その後、コーティング剤を噴霧し、均一に広がるよう水流やエアブローを活用しながら定着させます。

最後に強力な送風機で表面の水分を飛ばし、乾燥工程が完了します。ただし、細かい水滴がボディに残ることがあるため、最後は仕上げとして自分で拭き上げを行うのが一般的です。

洗車機でコーティングした場合もふきあげが必要

洗車機でコーティングした場合もふきあげが必要

前述の通り、コーティングメニューを選ぶと、洗車機がほとんどの作業を自動で仕上げてくれます。ただし、より美しい仕上がりにするには、洗車後に手作業での拭き上げが必要です。

機械による施工では、水分を完全に除去することが難しく、エアーだけではコーティング剤を均一に広げるのが難しい場合があります。そのため、一部にコーティング剤が厚く残ったり、均一に定着せずムラになったりすることがあります。

特に濃色車では仕上がりのムラが目立ちやすく、塗布が偏ると光の反射でギラついたように見えることもあります。このような仕上がりを防ぐためには、全体を均等に拭き上げ、余分なコーティング剤を取り除くことが大切です。

エネオス洗車機のコーティングメニュー

エネオス洗車機のコーティングメニュー
画像参照元:ENEOS TV|YouTube

洗車機のコーティングメニューや料金は、お店や機種によって異なります。「ENEOS」の洗車機メニューを調べたところ、以下のようなコーティングメニューが用意されていました。

ガラス系コーティング「泡ブロープライムコート」

・施工時間:約6分
・施工料金:2,700円(現金/クレジットカードの場合)

複数回のコーティングを重ね、厚い被膜を形成するガラス系コーティング。傷が目立ちにくく、同じガラス系コーティングの「泡ブローグラスコート」と比較すると、耐久性・流水性・防汚性が優れている。

ガラス系コーティング「泡ブローグラスコート」

・施工時間:5分30秒
・施工料金:2,300円(現金/クレジットカードの場合)
ガラス状の硬くクリアな被膜が特徴で、高い耐久性を持つコーティング。ツヤと輝きを与えつつ、流水性と防汚性にも優れており、汚れが付きにくくなるため、お手入れも楽になる。

※2025年2月時点の情報です。Dr.Drive 大和西SS店の料金を記載しています。

参考:EneJet Wash|ENEOS
参考:Dr.Drive 大和西SS店|株式会社アセント

洗車機コーティングの効果と施工頻度について

洗車機コーティングの効果と施工頻度について

洗車機コーティングの効果は、基本的には専門店で施工するコーティングと同じです。ただし、専門店では徹底した下地処理を行い、コーティングの塗布も湿度や温度が管理された室内で手作業で仕上げられます。そのため、効果は同じでも、強度や耐久性には大きな違いがあります。

専門店で施工するガラスコーティングの耐久年数は一般的に3~5年程度とされています。一方で、洗車機のガラスコーティングについて「Dr.Driveセルフ泉大津SS店」に問い合わせたところ「駐車環境による差はあるものの、1ヵ月前後が目安」とのことでした。また、雨の日でも施工可能とのことです。

仮に1ヵ月ごとに施工する場合「泡ブロープライムコート」の料金で計算すると、年間のコーティング費用は3万2,400円となります。

洗車機コーティングのメリット

洗車機コーティングのメリット

洗車機コーティングの最大のメリットは「短時間で施工できる手軽さ」です。すべての作業が機械で進むため、特別な準備をする必要がなく、わずか数分でコーティングが完了します。より均一な仕上がりにするためには、洗車後に拭き上げをするのが理想ですが、必須ではありません。

また「施工費用の安さ」も大きな魅力です。専門店でのコーティングと比べて価格が抑えられており、気軽に繰り返し施工できます。さらに、ガソリンスタンドに設置された洗車機で利用できるため、予約なしでいつでも施工できる手軽さもメリットと言えるでしょう。

洗車機コーティングのデメリット

洗車機コーティングのデメリット

洗車機コーティングのデメリットとして最も大きいのが「耐久性の短さ」と「仕上がりの差」です。専門店で行われるような下地処理が施されず、基本的には簡単な手洗い後にコーティング剤を噴霧するだけの工程となります。そのため、コーティングの定着が弱く、施工性を考慮して成分の濃度も低めに設定されていると考えられます。結果として、専門店のコーティングと比べると、ツヤや撥水性の持続力に差が生じます。

また、1回あたりの施工費用は2,000~3,000円と安いものの、耐久性の目安が約1ヵ月とされているため、定期的に施工する必要があります。仮に毎月施工すると年間で3万円以上かかる計算となり、コストパフォーマンスの面では必ずしも優れているとは言えません。

さらに、専門店のようなメンテナンスサービスがなく、ボディの状態に応じた磨き作業や、施工後のトラブル対応を依頼することができません。そのため、車の美観を長く維持したいと考えている場合は、専門店での施工がおすすめです。

エネオス洗車機のガラスコーティング以外のメニュー

エネオス洗車機のガラスコーティング以外のメニュー
画像参照元:ENEOS TV|YouTube

洗車機では、ガラスコート以外にも施工メニューが用意されています。主な内容としては「ワックス系のコーティング」と「ポリマー系のコーティング」があります。ENEOSの洗車機の場合は、以下の通りです。

最上級ポリマー系コーティング「泡ブロースプレンダーコート」

・施工時間:約5分30秒
・施工料金:1,700円(現金/クレジットカードの場合)

複数回コーティングを行い、厚みのあるポリマー被膜を形成。耐久性が高く、鮮やかな発色と優れた光沢が特徴。泡ブローコートと比較して、撥水性(水弾き)に優れている。

ポリマー系コーティング「泡ブローコート」

・施工時間:3分30秒
・施工料金:1,300円(現金/クレジットカードの場合)
高圧ブローでほこりを除去し、泡で汚れを浮かせて洗浄。仕上げにポリマー樹脂をコーティングし、流水性・防汚性を向上させる。強固な被膜が水を弾き、汚れの付着を抑える効果がある。

経済的な高圧ブローメニュー「泡ブローワックス」

・施工時間:3分30秒
・施工料金:1,000円(現金/クレジットカードの場合)
高圧ブローでほこりを飛ばし、柔らかい泡で洗浄。仕上げにワックスを散布し、手軽にツヤを出せる。

※2025年2月時点の情報です。Dr.Drive 大和西SS店の料金を記載しています。

参考:EneJet Wash|ENEOS
参考:Dr.Drive 大和西SS店|株式会社アセント

洗車機を利用後に自分でコーティングするのもおすすめ

洗車機を利用後に自分でコーティングするのもおすすめ

ここまで洗車機コーティングについて解説してきましたが、洗車後に自分でコーティングをするのもおすすめです。近年は、簡単に施工できるDIY向けのコーティング剤が数多く販売されており、手軽にボディの保護効果を高めることができます。

特にリキッドタイプのコーティング剤は、洗車後の濡れたボディにスプレーし、拭き上げるだけで施工が完了するため、手間がかかりません。専門的な知識がなくても扱いやすく、洗車のついでに作業できる点が大きなメリットです。また、市販のDIYコーティング剤は、耐久性が数カ月持続するものが多く、こまめに施工することで、専門店でのコーティングに近い効果を維持できます。

価格帯も数千円程度と手頃で、洗車機コーティングを繰り返し利用するよりコストを抑えられる場合もあります。手軽に愛車をきれいに保ちたい方や、コーティングの効果を長持ちさせたい方には、洗車後のDIYコーティングがおすすめです。

関連記事:車のガラスコーティングを自分で簡単にやる方法をプロが暴露

誰でも簡単に施工できるおすすめのDIYコーティング商品

DIY向けのコーティング商品は、施工性が高く作業経験がないような人でも簡単に施工できます。特にリキッドタイプの商品は、洗車ついでに使用できておすすめです。

下記では、洗車後におすすめのDIYコーティング商品を3つ紹介していきます。手軽さや価格の安さを重視したい方は、ぜひお試しください。

SCHILD® 滑水リキッド290ml

おすすめのDIY用コーティング商品:SCHILD® 滑水リキッド290ml

SCHILD® 滑水リキッド290mlは、スプレーして拭き上げるだけで簡単に施工できるガラス系コーティング剤です。施工後は滑水被膜を形成し、雨や汚れを弾いて塗装面を保護します。これにより、イオンデポジットやウォータースポットの付着を軽減し、美しい光沢を長く維持できます。

久性も高く、一度の施工で約3〜6カ月効果が持続します。汚れがつきにくくなるため、普段のメンテナンスも楽になり、軽度なシミの除去効果もあり、塗装面をよりクリアに仕上げられます。コーティング初心者でも扱いやすく、手軽に本格的な仕上がりを実現できるのが魅力です。

SCHILD® 滑水リキッド290mlはこちら

SCHILD® 撥水リキッド290ml

SCHILD® 撥水リキッド290ml

SCHILD® 撥水リキッド290mlは、先ほど紹介した滑水リキッドの撥水タイプです。スプレーして拭き上げるだけで強力な撥水被膜を形成できるガラス系コーティング剤で、水をしっかり弾き、雨や汚れの付着を軽減します。普段のメンテナンスも楽になり、一度の施工で約3〜6カ月効果が持続します。

撥水効果に加え、紫外線や酸性雨から塗装を守り、ボディの色あせや劣化を防ぐのも特徴です。さらに、微細な傷を埋めながら光沢を向上させ、特に濃色車では艶の違いを実感できます。

軽度なシミの除去にも役立ち、塗装面をより美しく仕上げることが可能です。1本で10台以上施工できるため、コストパフォーマンスにも優れています。手軽に撥水コーティングを楽しみたい方におすすめの商品です。

SCHILD® 撥水リキッド290mlはこちら

SystemX RENEW240ml

SystemX RENEW240ml

SystemX RENEW 240mlは、カーコーティングのメンテナンス剤として開発された製品ですが、コーティング未施工車にも使用可能です。ボディに塗布することで超疎水性の被膜を形成し、光沢や艶を引き出しながら、滑らかな手触りを実現します。

酸性雨や道路の汚れ、ピッチタールなどからボディを約9カ月保護し、セルフクリーニング性能により美しい状態を長期間維持できます。施工後は、深みのある艶と濡れたような輝きを実感でき、特に黒や濃色の車ではその違いが際立ちます。

また、ボディだけでなくホイールやプラスチックパーツにも使用できるのが特徴です。カーコーティングの効果を長持ちさせたい方や、簡単に愛車の輝きを引き出したい方におすすめの一品です。

SystemX RENEW 240mlはこちら

本格的なガラスコーティングを体感したい場合は専門店がおすすめ

本格的なガラスコーティングを体感したい場合は専門店がおすすめであることを解説するイメージ

洗車機によるコーティングは手軽で費用も抑えられますが、施工品質や耐久性を求めるなら、専門店での施工がおすすめです。コーティングは単に塗るだけではなく、下地処理を徹底することでボディの表面を整え、塗布後も適切な環境で硬化させることで、より深い光沢と長持ちする保護性能を体感できます。

また、専門店はアフターフォローが充実しており、定期的にメンテナンスを受け続けることで3~5年ほど美しい状態を維持しやすくなります。初期費用はかかりますが、耐久性を考えればコストパフォーマンスも優れています。手軽さを取るか、品質を重視するか、それぞれの特徴を理解し、自分に合ったコーティング方法を選びましょう。

関連記事:車のコーティングおすすめ専門店9選と後悔しない8つのチェック事項

洗車機のコーティングに関するよくある質問

洗車機のコーティングに関するよくある質問に答えていくイメージ

最後は洗車機のコーティングに関する、4つのよくある質問に答えていきます。

・洗車機のコーティングはすぐ落ちる?
・油膜などを落とさずに利用しても大丈夫?
・フロントガラスへのコーティング施工はできる?
・雨の日でも洗車機コーティングはできる?

コーティングの効果や施工箇所に関する内容ですので、参考にしてみてください。

洗車機のコーティングはすぐ落ちる?

洗車機で施工したガラス系コーティングの耐久性は、車の使用頻度や駐車環境によるものの、1ヵ月前後が目安です。専門店でガラス系コーティングを施工した場合は、3~5年(定期的なメンテナンスを受けている)が一般的であるため、洗車機コーティングの耐久性は低いと言えます。

ちなみに、耐久性よりも艶に特化したポリマー系コートの寿命は2~3週間ほどです。長くきれいに維持したいわけではなく、その日だけきれいにしてドライブなどを楽しみたいような方に最適と言えるでしょう。

油膜などを落とさずに利用しても大丈夫?

洗車機コーティングは、ボディ表面の油膜や鉄粉を完全に除去しなくても施工できます。ただし、専門店のように脱脂洗浄を行わないため、コーティング剤の密着度は低下しやすくなります。

それでも、コーティング被膜自体は形成されるため、一定の撥水効果や艶出し効果は期待できます。より高い耐久性や効果を求める場合は、施工前に下地処理で油膜や汚れをしっかり落とすのが理想的です。またDIY用のコーティング剤を使用したほうが耐久性は上がります。

フロントガラスへのコーティング施工はできる?

洗車機のコーティングメニューは、基本的にボディを対象としており、フロントガラスへの施工は推奨されていません。コーティング剤の成分によっては、ワイパーの動きに影響を与えたり、視界を悪くする可能性があるためです。

ただし、機械でボディコーティングを施工する際に、コーティング剤が噴霧されるため、すぐに剥がれるものの、ガラス面にも一定の撥水効果が備わることもあります。ガラス面へのコーティングは、比較的簡単ですぐに施工できるため、手作業でのメニューを扱っているガソリンスタンドもあります。

希望する方は、お店のスタッフに質問してみましょう。ちなみに、ガソリンンスタンドにおけるフロントガラスへのコーティング価格は3,000~5,000円が相場です。

関連記事:フロントガラスコーティングの料金や施工店のごとの特徴を解説

雨の日でも洗車機コーティングはできる?

雨の日でも洗車機コーティングは可能です。雨の日の施工について「Dr.Driveセルフ泉大津SS店」に問い合わせてみたところ、施工自体は可能とのことでした。

ただし、雨の日はコーティングが乾燥しずらいため、晴れの日の施工と比べると耐久性が低くなると予想されます。なるべく晴れの日に施工したうえで一定時間乾燥させることをおすすめします。

関連記事:雨の日のガラスコーティング施工や施工後の雨染み対策について

洗車機コーティングのメリット・デメリットを理解したうえで利用しよう

記事をまとめるイメージ

最新の洗車機では、ポリマーコーティングだけでなく、ガラス系コーティングも施工できるようになっています。一般的な洗車の仕上げとしてコーティング剤が噴霧される仕組みで、所要時間は5分ほどと短く、手軽に施工できるのが魅力です。料金も2,000~3,000円程度と、費用を抑えたい方には適した選択肢と言えるでしょう。

ただし、耐久性は1ヵ月前後と短く、専門店のような下地処理がないため、仕上がりの質や持続力には限界があります。施工後の見た目が大きく変わることは少なく、効果を維持するには定期的な施工が必要です。耐久性や美観を重視するなら、専門店での施工が適しています。

一方で、コストと品質のバランスを求める場合は、DIY向けのコーティング剤を活用するのも一つの方法です。洗車後に手軽に施工できるものも多く、持続性のあるコーティングが可能になります。用途や求める仕上がりに合わせて最適な方法を選び、愛車を美しく保ちましょう。

著者情報

株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史

2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。