コーティング車のウォータースポット対策|除去方法と業者に頼む場合の注意点のアイキャッチ画像

ガラスコーティングを施工すると、汚れの固着を防ぎ、愛車をきれいに保ちやすくなります。しかし、ウォータースポットなどのシミを完全に防げるわけではありません。駐車環境やお手入れの頻度によっては、シミができることもあります。

コーティング施工後にウォータースポットが発生し、除去方法に悩む方は少なくありません。コーティング施工車はボディ表面に被膜が形成されているため、適切な対処をしないとコーティングが傷む恐れがあります。

この記事では、コーティング車にウォータースポットができる原因や対処法、除去時の注意点について詳しく解説します。業者に除去を依頼した際の料金相場も紹介していますので、参考にしてみてください。

ウォータースポットとはイオンデポジットが悪化したもの

ウォータースポットとは、水道水や雨水に含まれるミネラル成分が蒸発した後に残るイオンデポジットが、さらに悪化して塗装面に浸食した状態を指します。表面に単なる汚れが付着しているのではなく、塗装が凹凸になってしまっているため、通常の洗車では落とせません。

ウォータースポットが気になるからといって、強くこすってしまうと、塗装面に細かい傷がつき、かえってボディのダメージを悪化させる恐れがあります。無理に削ろうとするのではなく、適切な方法で対処することが大切です。

関連記事:ウォータースポットは薬品で取り除けない,対策と原因を徹底解説

コーティング施工車にウォータースポットができる原因

洗車手順③水滴を残さないように拭きあげる

イオンデポジットは、水滴が蒸発する際にミネラル成分が残ることで発生します。洗車後の拭き残しや雨水の放置により、カルシウムやマグネシウムがボディに固着しやすくなります。特に水道水や井戸水はミネラル分が多く、乾燥すると白いシミとなり、放置すると塗装を浸食しウォータースポットへと悪化します。

ウォータースポットによる凹凸は、水滴のレンズ効果による高温とミネラル成分の固着が原因です。水滴がボディ上で太陽光を集めると、その部分だけ温度が上昇し、塗装のクリア層が膨張と収縮を繰り返します。この熱変化が続くと、塗装面にわずかなダメージが生じます。

さらに、水滴が蒸発した後に残るカルシウムやマグネシウムが結晶化し、塗装の凹凸部分に入り込みます。こうして硬く定着したミネラル成分が塗装と一体化し、表面の凹凸となって残ってしまうのです。

コーティング施工車にウォータスポットができた時の対処法

コーティング施工車にウォータスポットができた時の対処法

前述の通り、ウォータースポットは突然できるものではなく、徐々に進行して発生します。最初は表面にミネラル成分が残るだけですが、放置すると塗装に浸食し、凹凸が生じます。

そのため、初期段階の軽度なシミと、深く定着してしまったウォータースポットでは対処法が異なります。ここでは、コーティング施工車にウォータースポットができた時の対処法について解説します。

1:手洗い洗車の後に専用クリーナーを使用してみる

ボディにできるシミにはさまざまな種類があり、すべてがウォータースポットとは限りません。まずは手洗い洗車を行い、表面の汚れを落としてから、コーティング施工車向けのメンテナンスクリーナーを使用してみましょう。

メンテナンスクリーナーは、通常の洗車では落とせない汚れを分解除去する効果があり、コーティング被膜を良好に保つことにも役立ちます。ただし、コーティングの種類によっては使用できるクリーナーが指定されている場合もあります。

適さないものを使うと、コーティング被膜を傷める可能性があるため、施工店に相談するか他社商品でも使用できるクリーナーを選ぶようにしましょう。当店では、他社製品にも使用できる専用クリーナを販売しています。気になる方はぜいお試しください。

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2:コーティング施工店にメンテナンスを依頼する

メンテナンスクリーナーを使用してもシミが落ちない場合、ボディ表面に凹凸ができている可能性が高いです。この段階になると、目視でも確認できるほどシミが定着しており、クリーナーや一般的な除去剤では除去できません。

このような状態では、仮に不純物を除去できたとしても凹凸が残るため、表面を磨いて整える必要があります。まずは施工店に相談しましょう。専門店であれば、ボディ全体の状態を確認し、必要最低限の費用でメンテナンス磨きをしてもらえるため、安全にウォータースポットを除去できます。

お店にもよりますが、メンテナンスであれば、磨いた後の部分補修などにも対応してもらえます。

コーティング施工車のウォータスポットを除去する際の注意点

コーティング施工車のウォータスポットを除去する際の注意点

コーティング施工車にできたウォータースポットやその他のシミ除去は、自分でも作業できますが、コーティング被膜への配慮が必要です。作業方法を誤ると、コーティングが剥がれたり、ボディに傷がついたりするケースも珍しくありません。

特に、除去剤などの成分の強いアイテムを使用する際には注意が必要です。ここでは、コーティング施工車のウォータースポットを除去する際に避けるべきポイントを解説します。

成分の強いシミ除去剤は使用しない

市販のシミ除去剤は、シミの成分を溶かして除去する仕組みになっており、アルカリ性や酸性のものが一般的です。これらの成分はシミを落とす効果がある一方で、コーティング被膜にもダメージを与える可能性があります。

特に、下地処理用の商品は成分が強く、コーティングを傷めるリスクが高いため注意が必要です。シミ除去剤を使用する場合は、コーティング施工車向けに作られたものを選びましょう。また、作業の際は放置しすぎると被膜に影響を与えることがあるため、指定された使用方法を守ることが大切です。

コンパウンド粒子入りの除去剤は使用しない

シミ除去剤には、強力な成分で溶かすタイプのほかに微粒子の研磨剤を含み、こすって落とすタイプの商品もあります。これらの商品は除去力が非常に強く、コーティング施工前の下地処理でシミや不純物を取り除くために使用されます。

コンパウンド(研磨剤)入りの商品をコーティング施工車に使うと、被膜が削れて剥がれてしまう恐れがあります。また「ウォータースポットが落ちないから」と、力を入れすぎた場合はボディに細かい傷がつくこともあります。研磨剤入りの除去剤は使用しないようにしましょう。

自分で判断して商品を試さない

コーティング施工車の場合、自己判断で市販の商品を試すのは避けましょう。コーティング剤には相性があり、メンテナンスクリーナーでさえ、被膜が剥がれたり、ムラができたりすることがあります。

また、前述の通り、強力な除去剤を使用すると、コーティング被膜がすべてなくなってしまうこともあります。このようなケースでは、自己判断で作業したとみなされ、施工店の保証対象外となる可能性が高くなります。

DIY施工を除き、コーティングの維持やシミの除去については、なるべく施工店へ相談するのが安全です。

関連記事:プロが教えるウォータースポットの取り方|おすすめ除去剤と業者依頼の費用を解説

コーティング未施工車や既に被膜が剥がれている場合は除去剤がおすすめ

コーティング未施工車や既に被膜が剥がれている場合は除去剤がおすすめであることを解説するイメージ

ウォータースポットができた車がコーティング未施工の場合や、施工から数年が経ち、すでに被膜が剥がれている場合は、専用の除去剤を使用するのがおすすめです。

専用除去剤には、シミの成分を溶かして落とすタイプと、微粒子の研磨剤で物理的に除去するタイプがあります。ただし、これらの成分は塗装にも影響を与えるため、使用方法を守りながら慎重に作業することが大切です。

当店では、プロ仕様で扱いやすい除去剤を販売しており、コーティング施工車に使用できるタイプもご用意しています。気になる方は、ぜひお試しください。

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コーティング施工車のウォータースポット除去費用

コーティング施工車のウォータースポット除去費用について解説するイメージ

コーティング施工車のウォータースポットを除去する場合、施工店にメンテナンスを依頼するのが一般的です。メンテナンス内容はボディの状態によって異なりますが、軽度のシミであればクリーナーによる除去が中心となり、凹凸ができている場合は表面を磨いて整えたうえで部分補修を行うことになります。

費用はお店によって異なりますが、軽度なウォータースポットなら2~3万円、重度の場合は4~5万円ほどが目安です。メンテナンスでは、磨きだけでなく、その後の部分補修まで含まれることが一般的です。

すでに施工店の保証が切れている場合は、キーパープロショップなどで磨きのみを依頼する方法もあります。

コーティング施工車のウォータスポットを予防する方法

コーティング施工車のウォータスポットを予防する方法

これまで、ウォータースポットの除去方法や作業時の注意点について解説してきましたが、シミが深刻化する前に防ぐのが最も効果的です。コーティング施工車の場合、汚れの固着を防げるため、こまめにお手入れすることでシミはある程度防げます。

また、使用環境に合わせた予防策を組み合わせることで、ウォータースポットのリスクをさらに減らすことが可能です。ここでは、ウォータースポットを防ぐために有効な4つの方法について解説していきます。

こまめに手洗い洗車する

ウォータースポットを防ぐうえで欠かせないのが、こまめな手洗い洗車です。シミは汚れが付着した瞬間にできるわけではなく、水と合わさり乾燥することで次第に固着し、症状が悪化していきます。

そのため、雨が降る前や降った後のタイミングで洗車を行うことで、重症化を防げます。お手入れの頻度は駐車環境や使用頻度によりますが、青空駐車の場合は1~2週間に1回、屋内駐車の場合は2~3週間に1回が目安です。

また、1~2か月に1回は洗車後に専用クリーナーを使用し、シミの発生を防ぎつつ、コーティング被膜を良好に保つことが効果的です。

関連記事:コーティングした車の正しい洗車方法と手順をプロが徹底解説

定期的にメンテナンスを受ける

一度固着したシミは、洗車だけでは取れず、そのまま放置すると次第に重症化していきます。簡単なお手入れで除去できないシミを防ぐためにも、定期的に施工店でメンテナンスを受けるようにしましょう。一般的な頻度としては、半年~1年に1回のメンテナンスが理想とされ、ボディの状態に応じて適切な作業メニューが決定されます。

メンテナンスでは、不純物の除去や被膜の保護、部分補修などが行われます。シミを取り除くだけでなく、コーティング被膜の劣化を防ぎ、防汚効果の維持や艶の回復にもつながります。お店によってはメンテナンスだけでなく、施工車向けに手洗い洗車などを提供していることもあります。

お手入れなどが苦手という場合は、手洗い洗車メニューなどを用意しているお店を施工先として選ぶのがおすすめです。

ボディカバーを使用する

ボディカバーは、ウォータースポットの予防策として有効な方法のひとつです。毎日かけるのは手間がかかりますが、数日間車に乗らない場合や、雨が降ったりやんだりを繰り返すような天候のときに使用すると、シミの発生を防ぎやすくなります。

ただし、ボディカバーをかける際は、必ずボディがきれいな状態であることを確認しましょう。また、カバーをかけたり外したりする際に、ボディを引きずらないよう注意が必要です。

汚れが付いたまま使用すると、カバーとの摩擦で傷がつく原因になります。作業時は、なるべく2人で行うとスムーズにかけられ、ボディへの負担も軽減できます。

井戸水で洗車しない

洗車をする際は、井戸水の使用を避けましょう。井戸水にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が多く含まれており、拭き残しがあるとイオンデポジットが発生しやすくなります。

きれいに拭き取れば防げますが、グリルやミラーの隙間など、水気が残りやすい部分もあり、完全に拭き取るのは難しい場合があります。

洗車後の拭き残しによるシミや水垢を防ぐためには、エアブローの使用がおすすめです。細かい隙間に残った水分をしっかり飛ばせるため、水が垂れてシミや水垢ができるのを防ぎやすくなります。

ウォータースポットに関するよくある質問

ウォータースポットに関するよくある質問に答えていくイメージ

最後は、ウォータースポットなどのシミに関する、3つのよくある質問に答えていきます。

お湯をかけるとシミが取れるって本当?
イオンデポジット除去剤は危険って本当?
ウォータースポットは自分で除去できる?

普段のシミ対策で活かせる内容ですので、参考にしてみてください。

お湯をかけるとシミが取れるって本当?

花粉によるシミは、塗装面が70℃以上に温まるとペクチンが分解されるため、お湯をかけて消すことも可能です。タオルをボディにかけて、その上からお湯をかけることで、温度が下がらず全体のシミを除去できます。

ただし、この方法はすべてのシミに有効なわけではなく、ウォータースポットには効果が期待できません。また、お湯を均一にかけるのは難しく、やけどのリスクもあります。さらに、樹脂部分に高温のお湯をかけ続けると、変形する恐れがあるため、使用する際は十分に注意が必要です。

イオンデポジット除去剤は危険って本当?

イオンデポジット除去剤は、シミを溶かすためにアルカリ性や酸性の成分が含まれているものが多く、除去力が高い一方で、塗装表面にダメージを与える可能性があります。そのため、使用する際は商品に記載された方法を正しく守ることが重要です。

特に、コーティング施工車への使用は推奨されません。どうしても使う場合は、コーティング車専用のものを選びましょう。また、微粒子の研磨剤を含むタイプは、強くこすりすぎると線傷が入る恐れがあるため、慎重に作業する必要があります。

ウォータースポットは自分で除去できる?

表面に凹凸ができたウォータースポットは、ポリッシャー(研磨機)で磨いて整える必要があるため、基本的に自分では除去できません。

DIY向けのポリッシャーも販売されており、自分で研磨することは可能ですが、ボディ状態に合った磨き剤の選定や、磨き速度の調整が必要になります。扱いに慣れていないと、塗装を削りすぎるリスクもあるため注意が必要です。

また、手磨きで除去する方法もありますが、全体を均一に磨くのは難しく、数か所のウォータースポットを部分的に取り除きたい場合を除き、おすすめできません。なるべく施工店にメンテナンスを依頼するのが安全な方法といえます。

コーティング車のウォータースポットはお店に相談してから対処しよう

記事をまとめるイメージ

コーティング車でも、お手入れの間隔が空いてしまうと汚れが固着し、ウォータースポットができることがあります。除去する際は、コーティング被膜に影響を与えないよう注意が必要です。
以下が当記事のまとめとなります。

・ウォータースポットは、表面に単なる汚れが付着しているのではなく、塗装が凹凸になってしまっているため、通常の洗車では落とせない
・コーティング車にウォータースポットができる原因は、洗車後の拭き残しや雨水の放置により、カルシウムやマグネシウムがボディに固着し、放置すると塗装を浸食してしまうから
・コーティング施工車にウォータスポットができた時は、専用クリーナーをしようしたり、メンテナンスを依頼することで対処する
・コーティング施工車のウォータスポットを除去する際は、強い成分のクリーナーやコンパウンド入りの除去剤の使用に注意する
・コーティング施工車にウォータスポットの付着を予防するには、こまめな洗車、定期的なメンテナンスの依頼が重要

この記事が、ウォータースポットでお悩みの方や予防策を知りたい方の参考になれば幸いです♪

著者情報

株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史

2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。