ガラスコーティング後の正しい洗車頻度|洗車機の利用や施工直後の注意点も解説

ガラスコーティングを施工すると、ボディ表面に強固な被膜が形成され、汚れが固着しにくくなります。さらに、撥水効果により雨水が汚れを流しやすくし、未施工車に比べてキレイな状態を保ちやすくなります。

ただし、コーティングを施したからといって汚れないわけではありません。コーティング効果を長持ちさせるためには、定期的な洗車が必要です。「どのくらいの洗車頻度が最適なのか」「洗車時の注意点が分からない」という方もいるでしょう。

今回は、ガラスコーティング施工車の洗車頻度や施工直後のお手入れ方法について詳しく解説します。洗車機を使用する際のおすすめコースなども紹介していますので、参考にしてみてください。

ガラスコーティング施工後の最適な洗車頻度

ガラスコーティング施工後の最適な洗車頻度

冒頭で解説した通り、ガラスコーティングを施工すると、防汚効果やセルフクリーニング効果によって、未施工車よりも汚れにくくなります。そのため、最適な洗車頻度も変わってきます。

ただし、洗車頻度は駐車環境や使用頻度によって異なるため、全ての車が同じというわけではありません。普段のカーライフに合わせて洗車することが大切です。ここでは、青空駐車と屋内駐車の2つのケースに分けて、ガラスコーティング施工車の洗車頻度について解説します。

青空駐車の場合は1~2週間に1回の洗車頻度が理想

ガラスコーティング施工車で、青空駐車している場合の洗車頻度は1~2週間に1回が理想です。 それまでの天候にもよりますが、ボディに付着した汚れと雨水が合わさることで、汚れはボディに固着しシミへと変わります。

ボディにできたシミは、時間が経つほど固着して取れなくなるため、1~2週間に1回の頻度で洗車するようにしましょう。コーティングには撥水系や親水系がありますが、撥水のタイプによって洗車頻度を変える必要はありません。

屋内駐車の場合は2~4週間に1回の洗車頻度が理想

ガラスコーティング施工車で、屋内駐車している場合の洗車頻度は2~4週間に1回が理想です。青空駐車場に比べて汚れにくく、汚れが固着しにくいため洗車頻度が若干伸びます。

ただし、屋内駐車であってもボディに汚れが付着した状態で雨に濡れることで、シミが発生します。直射日光に当たっていない場合でもシミは次第に固着していくため、汚れと雨水が合わさった状態であれば、早めに洗車するようにしましょう。

ガラスコーティング施工車を洗車する理想のタイミング

ガラスコーティング施工車を洗車する理想のタイミング

車の汚れに関する悩みで最も多いのが「雨シミ・ウォータースポット」です。これらのシミができる原因は、複数ありますが、汚れと水分が合わさることで強固なシミが発生し、時間が経過するほど洗車では取れないほどダメージが増えていきます。

そのため、ガラスコーティング施工車を洗車するタイミングとしては、雨が降る前か雨が降った後が理想です。100%とは言い切れないものの、洗車でボディがキレイな状態であれば、雨に濡れてもひどく汚れることはありません。雨が降った直後であれば、汚れと雨水が合わさり固着する前であるため、表面のシミも簡単に落とせます。

1週間の天気予報を参考にしながら洗車する日を調整してみましょう。

関連記事:ガラスコーティング施工後は水洗いでOK!正しい洗車方法を解説

ガラスコーティング施工車の洗車方法は2種類ある

ガラスコーティング施工車の洗車方法は2種類ある

ガラスコーティング施工車の場合、洗車方法が2種類に分かれます。その詳細は以下の通りです。

水洗い洗車|汚れと雨水が混ざっていない状態に最適

ガラスコーティング施工車であれば、撥水効果により汚れが固着しにくく、強めに水をかけるだけでも十分に汚れを洗い流せます。雨と晴れの日を繰り返していない状態で、砂埃が軽くボディに付着している程度であれば、水洗い洗車でも問題ありません。

手洗い洗車|汚れと雨水が混ざり軽度なシミがある状態に最適

雨と晴れの日があり、汚れと雨水が合わさっているような状態の場合は、強く水をかけただけでは汚れを洗い流せないため、優しく手洗い洗車してきれいにしましょう。洗車でも落ちないようなシミがある場合は、施工店が推奨する専用クリーナーを1~2ヵ月に1回使用することで、キレイな状態を保ちやすくなります。

水洗い洗車は、上から下の順で強めに水をかけることがポイントです。高圧洗浄機などを使用するとより効果的に汚れを落としやすくなります。

関連記事:ガラスコーティングメンテナンスのやり方,注意点5つをプロが解説

花粉や黄砂が飛散する時期は洗車頻度を増やそう

花粉や黄砂が飛散する時期は洗車頻度を増やした方がいいことを解説するイメージ

愛車をキレイな状態で維持するうえで最も注意が必要なのが「花粉」と「黄砂」です。花粉にはペクチンという成分が含まれており、この成分が水分と混ざりあうことで、コーティング被膜やボディに深刻なダメージを与えます。

黄砂は非常に細かい砂粒であり、固着してしまうと洗い流す際に細かい線傷がボディにつきやすくなります。排気ガスなどの排出物と混ざりあっていることもあり、ボディに深刻なダメージを与えるため、注意が必要です。

雨と混ざりあうとすぐに固着するため、普段以上に洗車頻度を増やしてシミを予防しましょう。こまめに洗車する時間がなく、花粉や黄砂のダメージが心配な場合は、飛散がやみ始めたタイミングでコーティングのメンテナンスをお店に依頼するのもおすすめです。

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ガラスコーティング施工車の洗車機使用について

ガラスコーティング施工車の洗車機使用について

ガラスコーティング施工車は手洗い洗車によるお手入れが基本です。しかしながら、手洗い洗車が苦手であったり、時間をかける暇がなかったりする人もいるでしょう。

そこでよく相談されるのが「ガラスコーティング施工車の洗車機使用」に関する内容です。洗車機であればたった数分ほどで洗車できるため、手早くキレイにした人にとっては欠かせない存在と言えるでしょう。ここでは、ガラスコーティング施工車の洗車機使用について解説します。

洗車機を使用する場合は「ノンブラシタイプ」を選ぶ

ガラスコーティング施工車の洗車機使用については基本的におすすめしません。どうしても使用したい場合は「ノンブラシタイプ」を選ぶようにしましょう。この理由としては、洗車機のブラシは強弱の微調整が難しく、必要以上に強く洗いすぎてしまいコーティング被膜が剥がれたり、ボディが傷だらけになったりする可能性があるためです。

近年の洗車機は洗車技術が向上しており「コーティング施工車も大丈夫」といった声も少なからずあります。ただし、お店によってブラシのお手入れ具合も異なるため、基本的に洗車機使用はおすすめしません。ノンブラシタイプであれば、ブラシを使用しないため比較的安心です。

全国展開している「KeePer」に関しては、洗車機の使用を禁止していません。このようにお店によって考え方が異なるため、どうしても使用したい場合は施工店に相談してみましょう。

関連記事:洗車機はキズが付く?リスクと対策を徹底解説

洗車機を使用する場合は洗車コースに注意する

近年の洗車機には「泡ブロープライムコート」や「ポリマー光沢コート」といった、簡易コーティングも同時に行えるメニューが付いています。しかし、ガラスコーティング施工車の場合は、必ず「洗車コース」を選ぶようにしましょう。

既にコーティング被膜が形成されているボディに、別のコーティング剤が付着すると、何らかの化学反応により被膜が剥がれたり、水玉のようなシミができたりする可能性があります。

「水を弾いていないから」といった理由で施工車にコーティング洗車をかける方もいますが、お店によっては品質保証のルールでそれらの行為を禁止していることもあります。後のメンテナンスなどが受けられなくなる可能性もあるため、注意しましょう。

ディーラーの無料洗車サービスには要注意

車の点検などでディーラーに車を預けた際、無料で洗車をしてくれることがあります。嬉しい配慮ではありますが、ガラスコーティング施工車の場合は注意が必要です。

ディーラーで行っている無料洗車は、基本的にお店の裏にある自動洗車機を使用しているケースが多いためです。車検に出した結果、洗車機の利用が原因で傷だらけになって戻ってきたという事例もあります。

ガラスコーティングをしている場合は、事前に洗車しないよう営業マンに伝えておくようにしましょう。また、クリーナーなどの使用に関しても事前に使わないように伝えておく必要があります。

ガラスコーティングの最適な洗車頻度はどのメニューも基本的に同じ

ガラスコーティングの最適な洗車頻度はどのメニューも基本的に同じ

ガラスコーティングには「撥水系・親水系・滑水系」などがあり、それぞれの撥水タイプで数多くのメニューが存在します。インターネット上では「キーパーコーティング・洗車頻度」「フレッシュキーパー・洗車頻度」といった検索が見受けられますが、基本的にどのメニューを施工しても洗車頻度は同じです。

青空駐車の場合は1~2週間に1回、屋内駐車の場合は2~4週間に1回が理想の洗車頻度と言えます。ただし、メニューによっては洗車頻度を伸ばすことに特化したものもあるため、詳細は施工店に相談してみましょう。

ガラスコーティング施工直後はいつから洗車しても大丈夫?

ガラスコーティング施工直後はいつから洗車しても大丈夫?

ガラスコーティングを施工した直後は、簡単な水洗いであればいつ行っても基本的に問題ありません。ガラスコーティングは初期硬化に半日~1日ほどかかり、完全硬化するには3~4週間ほどかかると言われています。

「完全硬化するまで(約1ヶ月)は洗車しない方がいい」といった情報も見受けられますが、完全硬化するまでのスピードは商品によって異なり、お店によっては熱乾燥により完全硬化させてから納車しています。確かに、完全硬化するまで洗車だけでなく水にも濡らさないのが理想ですが「完全硬化させたいから」と、汚れているのに放置する方がシミなどのダメージを受けてしまいます。

成分の強いクリーナーなどを使用してしっかり洗うのはおすすめしませんが、初期硬化していれば強めに水をかける程度であればほぼ影響はありません。ただし、DIY作業で施工から乾燥まで自分で行っている場合は、1日以上は空けるようにしましょう。

洗車頻度が減った場合はクリーナーの活用がおすすめ

SCHILDメンテナンスクリーナー

理想の洗車頻度について解説してきましたが、仕事などの都合で数週間放置してしまうこともあるでしょう。このような場合、シミがいつも以上に固着している可能性が高いため、専用クリーナーを活用しましょう。

メンテナンスクリーナーは、ボディ表面の汚れを分解・除去し、傷ついたコーティング被膜を補強する効果があります。そのため、1~2ヵ月に1回の使用をおすすめします。ただし、クリーナーにもさまざまな種類があるため、コーティング施工車用のものを選ぶようにしましょう。

当店では、どのガラスコーティングにも対応している、プロ仕様のメンテナンスクリーナーを販売しております。洗車グッズなども用意しておりますので、気になる方はぜひお試しください。

参考動画:プロが教えるガラスコーティングした後のメンテナンスの施工方法

SCHILD®コーティングメンテナンスクリーナー190mlの詳細はこちら

ガラスコーティング施工車の洗車頻度に関するよくある質問

ガラスコーティング施工車の洗車頻度に関するよくある質問

最後はガラスコーティング施工車の洗車に関する、5つのよくある質問に答えていきます。

コーティング施工車に使用するシャンプーに指定はある?
エネジェットの「コーティングウォッシュ」は使用しても大丈夫?
水洗い洗車とシャンプー洗車の見極め方は?
適切な洗車頻度を守らないとどうなる?
コーティング施工車を洗車する際の注意点は?

コーティング施工車に適切なシャンプーや、こまめな手洗い洗車の重要性に関する内容ですので、参考にしてみてください。

コーティング施工車に使用するシャンプーに指定はある?

コーティング施工車の洗車で使用するシャンプーに指定はないものの「中性シャンプー」を使用するのが一般的です。中性シャンプーは成分が他のものと比べて優しく被膜に影響が出にくい特徴があります。

アルカリ性・酸性タイプは特定の汚れを除去する力が強い一方で、被膜にもダメージを与えやすいため注意が必要です。どうしても使用したい場合は成分が弱く、コーティング施工車に使用できると記載があるものを選ぶようにしましょう。

ちなみに、アルカリ性のシャンプーは油汚れや虫の死骸といった有機物の汚れに強い特徴があり、酸性シャンプーは水垢やカルキなどの汚れに強い特徴があります。

エネジェットの「コーティングウォッシュ」は使用しても大丈夫?

エネジェットの洗車機のメニューに「コーティングウォッシュ」という、コーティング施工車向けのメニューがあります。洗車機を設置している店舗に確認したところ、ブラシも使用するとの回答でした。そのため、基本的にコーティング施工車にはおすすめしません。

一般的な洗車メニューと比べて、高圧水洗い洗車の回数が多く設定されており、シャンプーではなく水洗いで汚れを洗い流せる内容となっています。

参考:EneJet Washの特徴|ENEOS

水洗い洗車とシャンプー洗車の見極め方は?

コーティング施工車を洗車する際に、砂埃がボディに乗っているような状態で固着した様子がない場合は、水洗い洗車でも問題ありません。多少固着している場合でも、高圧洗車機であれば、十分に汚れを洗い流せます。

汚れを雨水が混ざり合い、シミのようになっている場合や、強めに水をかけても汚れが残る箇所が多い場合は、シャンプー洗車に切り替えましょう。

適切な洗車頻度を守らないとどうなる?

適切な洗車頻度を守らなければ、コーティング被膜やボディに悪影響を与えるシミなどの汚れが徐々に増えていきます。見た目が悪くなるだけでなく、被膜もダメージを蓄積するため撥水力や艶がなくなりやすくなります。

ただし、1ヶ月何もしないくらいでガラスコーティングが全て剥がれ落ちるようなことは基本的にありません。前回の洗車から数週間が経過している場合は、クリーナーを使用するなどしてコーティング被膜を保護してあげましょう。

また、こまめなお手入れとは別に、半年~1年に1回は施工店でのメンテナンスを受けることで効果がさらに長持ちします。

コーティング施工車を洗車する際の注意点は?

コーティング施工車に限ったことではありませんが、洗車する際には、はじめに上から下の順番で水をしっかりかけて表面の汚れを洗い流すようにしましょう。水を強めにかけて表面の汚れを流し落とすことで、スポンジでボディをこすった際に汚れを引きずりにくく、線傷の発生を抑えやすくなります。

また、頑固な汚れが多い下回りは最後に洗車するようにします。汚れがなかなか取れない場合も強くこするのは避けましょう。洗車するのは曇りの日が理想です。炎天下ではボディが熱を持ちやすく水分が乾いてシミになりやすいため、注意が必要です。

適切な洗車頻度でガラスコーティングの効果を維持しよう

適切な洗車頻度でガラスコーティングの効果を維持しよう

ガラスコーティング施工車の適切な洗車頻度は、青空駐車で1~2週間に1回、屋内駐車で2~4週間に1回が理想です。使用状況やその週の天気予報なども考慮して、洗車する日を決めてみましょう。

絶対ではないものの、洗車するタイミングとしては雨の前か雨の後がおすすめです。汚れと雨が混ざった状態で放置しないことがシミを作らないためのポイントです。特に花粉や黄砂が多い時期は洗車頻度を増やしてシミの発生を抑えましょう。

数日間乗らない場合は、洗車後にカバーをかけておくのも効果的です。時間がない場合はノンブラシタイプの洗車機を使用するなどしながら、愛車をキレイな状態で保ち続けていきましょう。

著者情報

株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史

2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。