雨の日のガラスコーティング

著者情報

株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史

2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。

ガラスコーティングの効果を最大限に発揮するには、ボディ表面に強固な被膜を形成させる必要があるため、納車前には湿度や温度が管理されたブースでの乾燥が欠かせません。

被膜の乾燥時間は溶剤にもよるものの、初期硬化で半日~2日、完全硬化させるには約1ヶ月の時間が必要です。

コーティング施工後から近日で雨の日が続く場合「効果性に影響が出るのでは?」と、不安に感じる方もいるでしょう。

当記事では、ガラスコーティングを施工して間もない車の雨の影響最適なお手入れ方法、雨染み(イオンデポジット)ができた場合の対処方法について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

【結論】
ガラスコーティング施工の納車日が雨でも問題なし

ガラスコーティング施工の納車日が雨でも問題なし

結論から述べますと、ガラスコーティング施工の納車日が雨だったとしても問題ありません。
半日~2日ほどかかる初期硬化さえ終わっていれば、コーティング効果は発揮されます。

コーティング専門店では、必ず初期硬化を終わらせてから納車するため、「車を預けて数時間後に雨の中で納車」といった内容でない限り、車の納車日が雨でもガラスコーティングの効果性には問題ありません。

「青空駐車で雨の中、置きっぱなしにするのがどうしても不安」といった場合は、施工後に無料点検を行っている専門店をおすすめします。
無料点検付きであれば、万が一被膜に異常があった場合、再施工などの対応をしてもらえます。

無料点検が付いていなかったとしても、施工1ヶ月程度で水を全く弾かなくなった場合は、施工店に不備があった可能性が考えられますので、状況を伝えたうえで対応してもらうようにしましょう。

DIYで雨の日にガラスコーティングした場合の硬化時間

DIYで雨の日にガラスコーティングした場合の硬化時間

初期硬化が終れば、雨に濡れても大丈夫と解説しましたが、DIYで施工する場合も考え方は基本的に同じです。
商品の取り扱い説明書には、溶剤を塗布した後の乾燥時間が記載されているため、指定の乾燥時間を守れば雨に濡れても問題ありません。

ただし、DIY施工は湿度や温度が調整されたブースでの作業ではないため、硬化には時間がかかりやすいと言えます。
よって雨の日にDIY施工する場合は、所定の乾燥時間を過ぎたとしても当日は水に濡らさないようにするのが無難と言えるでしょう。

補足となりますが、雨の日にDIY施工する場合、ガラスコーティングを塗布する前のボディはすでに水分を含んでいるため、被膜が形成されにくいと言えます。
水気厳禁の商品を施工する場合は、晴れか曇りの日で洗車後にボディを完全に乾かしてから施工するようにしましょう。

関連記事:車のガラスコーティングを自分で簡単にやる方法をプロが暴露|カービューティーIIC

ガラスコーティング被膜が完全硬化するまでの注意点

ガラスコーティング被膜が完全硬化するまでの注意点

ガラスコーティングは、初期硬化が終っていれば納車日が雨でも問題ありませんと上記でお伝えしております。
ただし、コーティング被膜が完全硬化するまでには約4週間前後かかり、その間は以下の内容に注意が必要です。

注意点① カーシャンプーを使用しない。
注意点② 汚れが付着したらなるべく早く洗い流す。
注意点③洗車機を使用しない。

カーシャンプーには界面活性剤などの成分が含まれており、完全硬化していない被膜に悪影響を与える可能性があるため使用は避けましょう。

完全硬化前の被膜は汚れを放置してしまうとダメージを受けやすく、雨染み・水シミ(イオンデポジット)などができやすいため、こまめに水洗いするようにしましょう。

自動洗車機はブラシのお手入れをしていないお店もあり、ブラシの洗浄力も強いため完全硬化した後もおすすめしません。コーティング被膜が傷む他、塗装面が傷付くリスクもあるためです。どうしても自動洗車機を使用したい場合は「ノンブラシタイプ」をご利用ください。

参考記事:コーティングした車に洗車機は絶対NG!3つの理由と最適な洗車方法

コーティング専門店の中には「完全硬化」後に納車しているお店もある

レクサスLM 遠赤外線ブースで乾燥中

ガラスコーティングが完全硬化するには、一般的に4週間前後かるため、多くのお店では初期硬化後に納車する流れです。
しかしながら、専門店の中には熱乾燥装置によるガラスコーティングの完全硬化をさせてから納車している専門店もあります。

当記事を運営する弊社でも、遠赤外線による熱乾燥装置を導入しており、弊社でコーティングをご依頼くださった全てのお車はコーティング被膜の完全硬化後に納車しています。納車前に完全硬化させることで、コーティングの効果を最大限に発揮できるようになり、コーティングの持続性・寿命も向上します。

コーティング専門店をお探しの際には、熱乾燥装置を導入しているかチェックしてみましょう。

関連記事:車のコーティングおすすめ専門店9選と後悔しない8つのチェック事項|カービューティーIIC

完全硬化していない車の手洗い洗車方法について

納車直後で完全硬化していないガラスコーティング施工車は汚れのダメージを受けやすく、こまめに手洗い洗車する必要があります。
しかしながら、カーシャンプーの使用は避けた方がよく、洗い方には注意点があります。

ここでは、なぜ車に雨染み・水シミ(イオンデポジット)がボディにできるのか、どのタイミングで洗車すればいいのか、洗車のポイントについて解説していきます。

雨染みができる主な原因

イオンデポジット

車のボディにシミができる原因は複数あります。
特に多いのは、ボディに付着した汚れ(花粉や排気ガスなどの油汚れ)と雨水が合わさり、ボディに固着し被膜に悪影響を及ぼすケースです。

汚れにもよりますが、花粉や砂埃だけではボディにシミはできませんが、そこに雨水が合わさることで悪影響が出始めます。
また、ボディが汚れていなかったとしても、洗車で使用する水に含まれるミネラル分などが乾燥し、シミになるケースもあります。

イオンデポジットとウォータースポットの原因と5つの対策を解説に詳しく執筆しておりますので、雨染み・水シミについて気になる方はご参照ください。

手洗い洗車に最適なタイミング

手洗い洗車

最適な手洗い洗車のタイミングは、雨が降った直後です。汚れと雨水が合わさり、水分が乾燥する前に手洗い洗車をおすすめします。
雨の後の洗車が難しい場合は、雨の前に手洗い洗車しておくことでも雨染み・水シミの発生はある程度防げますので、「汚れを固着させないこと」を意識してみましょう。

補足でお伝えさせていただきますが、汚れの中で最も注意すべきは「鳥フン」です。
成分が強い酸性であるため、ガラスコーティング施工車であっても短時間で塗装にダメージが浸透します。
付着に気付いた時点ですぐに強めに水を当てて洗い流すようにしましょう。

参考記事:車に付着した鳥フンの掃除・対策について解説

手洗い洗車のポイント

ポイント①は「上から下の順番で強めの水で汚れを洗い流すこと」です。

ガラスコーティング施工車であれば水を流しただけでもほとんどの汚れを洗い流せるので、汚れが固着していないようであれば、こすらずに柔らかいマイクロファイバークロスで拭き上げていきましょう。

ポイント②は「炎天下での洗車は避ける事」です

炎天下での洗車は熱によりボディの水滴がすぐに乾いてしまいシミになる可能性があります。曇りの日を選ぶか屋根付きの場所で洗車するようにしましょう。当社ではプロが認める高品質な洗車グッズを販売しております。セットや単品での購入が可能ですのでぜひお試しください。

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ガラスコーティングで雨染みを防ぎたいなら「親水系」がおすすめ

コーティング施工するうえで「雨シミの予防を最優先したい」といった方は「親水性」のコーティングをおすすめします。ガラスコーティングの水の弾き方は主に3種類に分かれており、それぞれに特徴があります。

撥水性能 特長
撥水系 最も強く水を弾くタイプで、水をかけると細かい水玉になって流れていく。ちょっとした雨水で汚れを洗い流せる「セルフクリーニング性能」に優れている。一方でボディに細かい水玉が残るため、乾いてシミになりやすい。
滑水系 撥水系と親水系の中間的な性質を持ち、高い水切れ性能が特長。細かい水滴ができにくくセルフクリーニング性能にも優れている
親水系 水滴ではなく水がまとまって引いていく。水玉ができにくいため細かい雨シミの発生を防ぎやすくなる。

完全に防げるというわけではないものの、濃色系のボディカラーで雨シミが気になる方は、親水系が最適と言えるでしょう。撥水系でもこまめにお手入れすることでシミの発生は防ぎやすくなります。実際の弾き方は以下の動画で確認できます。

関連記事:親水コーティングの特徴やメリット,おすすめコーティング剤を解説|カービューティーIIC

固着した雨染みはクリーナーでお手入れするのがおすすめ

コーティング被膜が完全硬化した後は、こまめな手洗い洗車でお手入れしますが、洗車だけではなかなか落とせないシミもあります。固着した雨シミがある場合は、専用のクリーナーでお手入れしましょう。

メンテナンスクリーナーは、ガラスコーティング被膜に固着したシミや汚れを分解して落とせます。

ただし、施工したコーティングによっては他社製品のクリーナー使用を禁止しており、使用することで品質保証が無くなるものもあります。被膜とクリーナーの相性もあるため、必ず施工店に状況を含めて相談するようにしましょう。

ガラスコーティング施工車におすすめのメンテナンスクリーナー

前述した通り、手洗い洗車で落ちないシミや汚れはメンテナンスクリーナーで除去できます。メンテナンスクリーナーには、弱った撥水性能を復活させる効果もあります。

ここでは、ガラスコーティング施工車におすすめのメンテナンスクリーナーと、イオンデポジット除去剤を紹介していきます。他社のコーティングにも使用できますので、品質保証をチェックしたうえでお試しください。

SCHILD® メンテナンスクリーナー

SCHILD® メンテナンスクリーナー

SCHILD® メンテナンスクリーナーは、表面に付着した汚れや軽度なシミを除去できます。コーティング被膜に影響はないため、他社のガラスコーティングにも施工可能です。ボディ全体はもちろん、一部の箇所のみの使用もできます。

洗車後にボディが濡れた状態で、クリーナを付けたマイクロファイバークロスまたはスポンジで優しく塗り込んでいきます。1パネルずつ塗り込み、水道水で洗い流したうえで通常通り拭き上げます。

セット内容

・メンテナンスクリーナー190ml
・メンテナンススポンジ1個
・施工手順書1枚

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SCHILD® イオンデポジット除去剤

SCHILD® イオンデポジット除去剤

SCHILD® イオンデポジット除去剤は雨染みや水シミの除去に特化した商品で、コーティングメンテナンスにて使用できます。コーティング施工車にも対応しており、シミを除去するための研磨剤なども未使用なので安心です。

洗車では落ちないシミや黒ずみなどでお困りの方は、ぜひ一度お試しください。

セット内容

・イオンデポジット除去剤100ml

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ガラスコーティング施行車と雨に関するよくある質問

最後はガラスコーティング施工車と雨に関する、4つのよくある質問に答えていきます。

雨の日の洗車は水をかけるだけでも大丈夫?
クリーナーで落とせない雨染みはどうしたらいい?
雨染みに強いコーティングは?
雨染みに注意が必要な季節は?

施工後のお手入れや雨染みの対処方法に関する内容ですので、参考にしてみてください。

雨の日の洗車は水をかけるだけでも大丈夫?

コーティング施工車の洗車は、天気にかかわらずほとんど汚れていない場合は強めに水をかけるだけで問題ありません。ただし、前回の洗車から数週間が経過していたり、途中で雨に濡れたりした場合は、水をかけるだけでは汚れが流れ落ちない可能性があります。

油性の汚れが付着している可能性もあるため、なるべくシャンプーで洗うようにしましょう。なるべく水洗いだけにしたい場合は、強めに水を当てられる「高圧洗浄機」の使用をおすすめします。

高圧洗浄機は、ボディに近づけすぎると塗装が剥がれる可能性があるため、30cm以上は離すようにしましょう。

クリーナーで落とせない雨染みはどうしたらいい?

固着した雨染みにはメンテナンスクリーナーが効果的ですが、コーティング被膜内部までダメージが及んでいる場合などは完全に消すことができません。メンテナンスクリーナでも落ちない場合は、施工店に相談したうえでメンテナンスの依頼をおすすめします。

専門店であれば、さらに成分の強い除去剤を使用したり、ボディを研磨したりするなどして対処できます。コーティング施工車に使用できるイオンデポジット除去剤もありますが、必要以上に強くこすると被膜が剥がれてしまう恐れがあるため注意が必要です。

ちなみに、花粉によるシミは50~80℃のお湯をかけることで除去できる可能性があります。これに関しても、作業中に火傷したりバイザーといった熱に弱い箇所が変形する可能性があるため、まずはお店への相談をおすすめします。

雨染みに強いコーティングは?

雨シミの発生を抑えやすいという意味では「親水系」のコーティングがおすすめです。この他では、被膜の性質で雨シミを防げるタイプのコーティングもあります。ただし、コーティングで雨シミを完全に防ぐことはできません。

コーティング施工により汚れの固着を防ぎお手入れもしやすくなりますので、こまめに手洗い洗車で雨シミの発生を防ぎましょう。洗車頻度や正しい洗車方法については、コーティングした車の正しい洗車方法と手順をプロが徹底解説をご参照ください。

雨染みに注意が必要な季節(時期)は?

雨シミに注意が必要な季節・時期は複数あります。

花粉、黄砂が飛散した日:花粉や黄砂は水と合わさることで、たんぱく質成分が被膜内部までダメージを与えてしまう。
梅雨(6~7月):雨が頻繁に降るため、汚れと水が合わさりシミができやすい
夏(7~9月):日差しが強く水滴が蒸発してシミが固着しやすい

こまめな洗車と定期的なメンテナンスクリーナーの使用で、雨シミの発生を防ぎましょう。

適切なお手入れで雨染みを防ごう

ガラスコーティング施工では、納車前に初期硬化させているため、雨の日に納車しても問題ありません。ただし、完全硬化するまではシミなどができやすいため、シャンプーを使用したり、こまめに洗車したりして対策しましょう。

濃色車で雨シミが気になるという場合は「親水性」のコーティングを施工することでシミができにくくなります。ただし、完全に防げるようなコーティングはないため、こまめな洗車やメンテナンスクリーナーの活用で対策しましょう。

当店では、施工後のお客様向けに手洗い洗車メニューを用意しており、ボディ状態に応じたアフターメンテナンスメニューも用意しています。遠赤外線による熱乾燥装置も完備しており、完全硬化後に納車致します。

無料の工場見学も行っておりますので、コーティング施工を検討している方は、ぜひ当店での施工をご検討ください。