近年、車の赤外線(IR)カットカーフィルムが増えてきました。しかし、多くの方は赤外線カット率について詳しく理解されていないため赤外線カットフィルムを施工したのに効果が得られなかった。などの後悔された声をお聞きします。
実はこの赤外線カットフィルムには赤外線(IR)をカットする領域がフィルムメーカーによって異なります。太陽光に含まれる赤外線には780㎚~2000㎚と波長領域が存在します。しかし、多くのカーフィルムメーカーはごく一部の波長領域のカット率しか記載されていないのが事実です。ごく一部波長領域しかカット出来ないフィルムを施工しても赤外線カット効果を体感することは難しいため、太陽光に含まれる赤外線の波長領域を広範囲でカットすることが重要なのです。
当記事では、赤外線(IR)のカット率(波長領域)や赤外線カットフィルムの効果,費用相場をカーフィルム専門店のIICが徹底解説していきますので参考にしていただければ幸いです。当記事を読んで豊かなカーライフが実現できることを願っております。
カーフィルムのメイン記事:カーフィルムの効果,費用,メリデメ,注意点をIICが解説
カーフィルムには赤外線(IR)をカットする効果が得られるフィルムが存在します。この赤外線カットフィルムを施工することで断熱対策を行うことができるため車内の熱さ対策に有効です。カーフィルムのパンフレットやwebサイトを見ると赤外線カット率89%や赤外線(IR)カット率92%などの表記が記載されております。ここで重要なことは赤外線波長領域の780㎚~2000㎚までの領域をどれだけ広範囲でカット出来るかが重要となります。
多くのカーフィルムメーカーは赤外線(IR)カット率92%と表記されていてもごく一部の波長領域しかカットできていないケースが多く実際に断熱効果を体感できるとは限らないのです。後ほど赤外線カット率について詳しく解説していきます。
赤外線(IR)カットフィルムで得られる3つの効果について詳しく見ていきましょう。
①肌のジリジリ感を軽減させる
まず1つ目の効果は肌のジリジリ感を軽減させることができます。太陽光の波長(赤外線)には人間の肌で感じるジリジリ感(熱さ)を軽減させることができるため肌へのストレスを感じにくくなります。真夏の炎天下のように赤外線や紫外線が強い日も赤外線カットフィルムを施工しておくことで熱さを感じにくくなるのです。
②車内の断熱対策ができる
2つ目の効果は車内の断熱対策ができるという点です。上記画像は断熱フィルムのクリスタリン90を施工したフィルムと未施工のガラスで人体に影響する熱がどれだけ違うのかを比較してみました。赤外線カットフィルムの有無で最大17.3%も体感温度が異なるため断熱対策に非常に有効な商品となります。
関連記事:断熱効果のフィルムについて
③エアコンの効きを向上させることが可能
3つ目の効果はエアコンの効きを向上させることが可能となります。赤外線カットフィルム未施工のガラスでは車外からの気温が車内に侵入してしまいます。また、冷暖房の温度も車外に逃げてしまうため、赤外線カットフィルムを施工することで車内外の温度が入りづらく、逃げづらくなるため冷暖房の効きを向上させることが可能となるのです。
赤外線(IR)カットフィルムのカット率は高ければ高い方が好ましくなります。しかし、このカット値はどれくらいの波長領域をカットしているかが重要となるので詳しく見ていきましょう。
フィルムメーカーによって赤外線(IR)カット率と波長領域が異なる
カーフィルムの赤外線(IR)カット率と赤外線をカットする波長領域がフィルムメーカーによって異なりますのでまずは図をご覧ください。
施工店ごとの赤外線カット率
赤外線カット率の相場 | |
カーディーラー | 53~71% |
カー用品店 | 30~80% |
カーフィルム専門店 | 80~92% |
※上記数値はあくまで相場となるため実際に施工しているフィルムによって赤外線カット率は異なります。
フィルムの種類 | 赤外線カット率 |
ピュアカット89(3M) | 赤外線カット率92% |
クリスタリン90(3M) | 赤外線カット率95% |
シルフィード(IKC) | 赤外線カット率92% |
ウィンコスフィルム | 近赤外線17~94% |
上記のように施工する場所はフィルムメーカーによって赤外線カット率は異なりますのでよく確認してから依頼するようにしましょう。また、この赤外線カット率が高ければいいというものでもありません。詳しく見ていきましょう。
赤外線(IR)カット率だけを鵜呑みにしない
先ほども少しお伝えしましたが、熱さを感じる赤外線には波長領域が存在します。赤外線の波長領域は近赤外線、赤外線、遠赤外線(780㎚~2000㎚が赤外線の波長領域)となります。この波長領域において多くのフィルムメーカーはごく一部の赤外線カット率を表記されているため、赤外線カット率92%と記載されている赤外線カットフィルムでも赤外線すべての波長領域で計測すると低い数値となる可能性があります。
プロが解説する赤外線カット率の違い
A社の赤外線カット率92%
上記A社のカーフィルムでは赤外線のカット領域が950㎚~1100㎚までを90%以上カットしていますがそれ以外の領域は20%ほどしかカット出来ていません。熱遮断範囲が狭いのです。その為、体感は得られづらくなります。一方、コボテクト社のサンブロックフィルムは赤外線カット領域が広いため十分な熱遮断の体感を得ることができます。
コボテクト社の赤外線カット率
下記の図はコボテクト社の熱遮断率です。コボテクト社の赤外線範囲はA社と比べて広い領域をカットするため熱さ対策が全く異なります。赤外線カットフィルムを選ぶ際にはどれくらいの波長(人が感じる熱の波長範囲780㎚~2000㎚)を調べたうえで施工するようにしましょう。
・おすすめの赤外線(IR)カットフィルム
おすすめの赤外線(IR)カットフィルムはコボテクトサンブロックフィルムとなります。このメーカーは先ほどの図でご覧いただいたように熱遮断範囲が広く高いため、断熱対策に有効なカーフィルムとなります。また紫外線カット率100%を誇るコボテクトサンブロックフィルムは紫外線カット効果と赤外線カット効果が最も高いカーフィルムとなります。UVカット(紫外線)について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
関連記事:車のカーフィルムにおける紫外線カット(UV)効果とは?(新規ページにリンク)
コボテクトサンブロックフィルムの商品ページはこちら
赤外線カットフィルムの費用相場は施工するショップによって異なりますので詳しく見ていきましょう。
赤外線カット率の相場 | 費用相場(リア周り) | |
カーディーラー | 53~74% | 33,000~46,200 |
カー用品店 | 30~50% | 18,000~44,000 |
カーフィルム専門店 | 80~92% | 35,000~61,000 |
・カーフィルム専門店の費用
カーフィルム専門店の赤外線カットの費用相場は約35,000~61,000となります。カーフィルム専門店は比較的高性能なカーフィルムを取り扱っているケースが多いのでカーフィルム施工する上で最もおすすめの施工箇所となります。
・カーディーラーの費用相場
カーディーラーのフィルム相場は約33,000~46,200となります。カーディーラーの取り扱いフィルムは赤外線カット率が50%~70%程度となるため専門店のカーフィルムに比べると赤外線カット率が低い傾向にあります。一部のカーディーラーでは赤外線カット率が高い商品も扱っているため事前に確認しておきましょう。
・カー用品店の費用相場
カー用品店の費用相場は18,000~44,000となります。施工ショップの中で最も価格が安い傾向にありますが赤外線カット率が最も低いケースが多いため、施工するには注意が必要です。ただ単にスモークフィルムが貼れていればOKというなら別ですが、赤外線カット効果を求めるのであればカーフィルム専門店もしくはカーディーラーで施工することをおすすめ致します。
・カービューティーアイアイシーの場合
フロントまわり
※全て税込価格です。
リアまわり/色付き
ロングクォーター1面 輸入車 ¥18,800
ロングクォーター1面 国産車 ¥16,800
※全て税込価格です。
リアまわり/透明断熱
ロングクォーター1面 輸入車 ¥18,800
ロングクォーター1面 国産車 ¥16,800
※全て税込価格です。
リアまわり/ミラータイプ
※全て税込価格です。
サンルーフ
サイズ | 色付き | 透明断熱 |
35cmまで | ¥33,000 | ¥38,500 |
50cmまで | ¥44,000 | ¥48,500 |
100cmまで | ¥49,800 | ¥54,300 |
※全て税込価格です。
上記が赤外線カットフィルムの費用相場でした。
当記事では、赤外線(IR)カットフィルムの効果や赤外線カット率について詳しく解説してきました。
この赤外線(IR)カットフィルムとは人が感じる熱さを軽減させることができるため断熱対策に有効です。車の窓ガラス面に張り付けることで車内が涼しくなったり、温かくなったりするため断熱対策に有効となります。しかし、カーフィルムを選ぶ上で重要なことは太陽光に含まれる赤外線領域(780㎚~2000㎚)をどれくらい広範囲でカット出来るかによって断熱効果は変わってきます。赤外線カット機能付きのカーフィルムを選ぶ際の1つの指標にしましょう。
そして、カーフィルムはどこで施工するのか、どのフィルムを使用するかで費用は異なります。赤外線カット率が高ければ高いほど施工費用も高額になるケースがあるため価格だけでカーフィルムを選ばないようにしましょう。
この度は最後まで当記事をご覧いただきありがとうございました。皆様の豊かなカーライフの参考にして頂ければ幸いです。