
ガラスコーティングを施工すると、防汚効果や耐擦り性能が向上しますが、すべての傷を防げるわけではありません。洗車後にボディを拭いたり、汚れを落としたりする際に細かい傷が入ることがあります。
通常であれば、軽く表面を磨くことで傷を消せますが、コーティング施工車の場合、無理に磨くと被膜が剥がれ、撥水効果が低下したり、部分的に色合いが変わったりする恐れがあるため、適切な対処が必要です。
「傷が気になるけれど、どうすればいいのかわからない」と悩んでいる方もいるでしょう。この記事では、ガラスコーティング施工車の傷消しについて、具体的な対処法や作業する際の注意点を解説します。おすすめの商品も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ガラスコーティング施工車の傷消しは可能
ガラスコーティングを施工した車についてしまった傷は、状態によっては消すことができます。特に、被膜の表面にできた浅い傷であれば、適切な方法で対処すれば消せる場合があります。また、傷だと思っていたものが、実は汚れだったということも少なくありません。
ただし、すべての傷が消せるわけではなく、深い傷や特殊なダメージは慎重に扱う必要があります。無理に磨いたりすると、コーティングが剥がれて逆に目立ってしまうこともあるため注意が必要です。
ガラスコーティング施工車の消せる傷
ガラスコーティングを施工した車の傷は、すべてが消せるわけではありませんが、状態によっては対処可能です。特に、爪で引っかからない程度の浅い傷なら、消せる可能性が高いといえます。
洗車のときについた細かいスリ傷や、塗装の上に乗った模様のような傷は、コーティングの表面だけが傷ついているため、適切な処理をすれば目立たなくなることがあります。
また、光の加減によって傷の見え方が変わることもあります。角度を変えて確認すると、思ったより深くないケースもあるため、まずはしっかり状態を見極めることが大切です。
ガラスコーティング施工車の消せない傷
ガラスコーティング施工車の傷の中には、消せないものもあります。細かい線傷でも、爪が引っかかるほど深いものや、明らかに塗装が削れている傷は、コーティング被膜を超えてダメージが入っているため、簡単な磨きでは消せません。
こういった傷は、作業をしても多少見た目がマシになる程度で、完全に消すことはできません。無理に磨きすぎると、コーティング被膜が剥がれたり、その部分だけ色が変わってしまうこともあります。
特に、力を入れて磨くと周囲との質感が変わる可能性があるため、深い傷を消そうと自己判断で対処するのは避けたほうがいいでしょう。
コーティング施工車の傷消しは施工店に相談するのがおすすめ
消せる傷と消せない傷について解説しましたが、どうしても気になる場合は施工店に相談しましょう。施工店は日々磨き作業を行っているため、傷の状態を正確に判断し、最適な対処法を提案できます。
自分で無理に磨くとコーティングが剥がれるリスクがありますが、施工店なら必要以上に削ることなく、安全に作業を進められます。また、部分補修としてコーティングを塗り直すことも可能なため、仕上がりのバランスが崩れません。
費用はかかりますが、失敗のリスクを避けるなら専門店に任せるのが最も安心です。傷が気になったら、まずは施工店に相談してみましょう。
コーティング施工車の傷消し(補修)を依頼した場合の料金
コーティング施工車の傷消しを施工店に依頼する場合、傷の状態によって費用が変わります。研磨機などを使って補修する場合は、部分補修の料金が発生しますが、具体的な金額はお店によって異なります。
相場としては、コーティング施工料金の1割前後が目安で、1~2万円程度が一般的です。ただし、傷が小さくピンポイントでの補修が可能な場合や、簡単な作業で済むケースでは、さらに安くなることもあります。
まずは施工店に相談し、具体的な費用や作業内容を確認するのが安心です。
ノーコンパウンドで傷を消す方法
コーティング施工車の傷消しに関する相談はよくありますが、実際には傷ではなく、強い摩擦によって表面の色が変わっているだけのケースもあります。このような場合、無理に磨かずに対処できる可能性があります。
傷かどうかの見極めが難しいときは、「メンテナンスクリーナー」の使用がおすすめです。洗車では落ちない汚れやシミを除去する効果があり、傷だと思っていたものが実は汚れだった場合、きれいに落とせることがあります。
さらに、コーティング被膜の表面を保護する役割もあり、細かな傷に成分が入り込むことで目立たなくなる可能性もあります。いきなり磨くのではなく、まずはメンテナンスクリーナーを試してみるのがよいでしょう。当店では、他社のコーティングにも使用できる、メンテナンスクリーナーを販売していますので、気になる方はぜひお試しください。
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コーティング施工車の傷消しは自分でもできる
コーティング施工車の傷消しは、施工店に相談するのが一番安心ですが、DIYで施工した場合など、相談できるお店がないケースもあります。そのような場合は、自分で対処することも可能です。
前述の通り、まずはメンテナンスクリーナーを試してみるのがおすすめです。傷だと思っていたものが実は汚れだった場合、簡単に落とせることがあります。それでも改善しない場合は、市販の傷消し商品を使って作業する方法もあります。
次の章では、傷消しをする際に注意すべきポイントについて解説します。
ガラスコーティング施工車の傷消しの注意点
ガラスコーティングを施工した車の傷消しは、自分で行うことも可能です。しかし、何も考えずに作業すると、コーティングが剥がれたり、施工した部分だけ見た目が変わる可能性があります。
仕上がりを損なわないためには、正しい方法を理解しておくことが大切です。ここでは、傷消しを行う前に知っておくべき注意点について解説します。
強くこすりすぎるとコーティングが剥がれてしまう
部分的な傷消しで最も多い失敗が、強くこすりすぎてしまうことです。力を入れすぎると、細かい傷が増えたり、コーティングの被膜が剥がれたりする原因になります。傷を消す際は、力任せにこするのではなく、使用するクリーナーやコンパウンドの研磨効果を活かして除去する意識が大切です。
また、作業時に使うクロスは何度か折りたたんで厚みを持たせ、優しく円を描くように動かしながら表面を整えるのが理想です。一度で消そうとせず、途中で傷の状態を確認しながら慎重に作業を進めていきましょう。
施工した箇所だけ見た目が変わる可能性がある
コーティングを施工して時間が経つと、ボディ全体の艶や光沢が少しずつ失われていきます。このような状態で部分的に傷を磨くと、磨いた部分だけが綺麗になり、周囲との差が目立ってしまうことがあります。特に経年車では、この現象が起こりやすく注意が必要です。
クリーナーを使用する際は、傷のある部分だけでなく、できるだけボディ全体に使うようにしましょう。均一に仕上げることで、磨いた箇所だけが浮いてしまうのを防ぎ、自然な見た目を保つことができます。
コーティング未施工車の場合は傷を埋めるコーティングもおすすめ
コーティング施工車の場合は、ボディ表面のコーティング被膜を傷つけないよう慎重な作業が求められます。しかし、未施工車であれば被膜がないため、コンパウンドを使った部分的な手磨きが可能です。適切な道具を使えば、浅い傷やくすみを効果的に除去できます。
また、ボディ全体に細かい線傷が目立つ場合は、ポリマーコーティングやワックスで傷を埋める方法も有効です。ガラスコーティングとは異なり、これらのコーティングは被膜が柔らかいため、溶剤が傷の隙間に入り込み、目立たなくしてくれます。傷自体が完全に消えるわけではありませんが、表面が滑らかになり、見た目を大きく改善できます。
傷が消えない場合はプロに磨き依頼するのがおすすめ
DIY商品を使って傷を消そうとしても、思うように改善しない場合は、施工店に相談するのがおすすめです。部分補修に対応している店舗もあり、必要に応じてボディ全体を磨き直してもらうことも可能です。
また、自分でコーティングを施工している場合でも、専門店に相談すれば、メニューにない作業でも対応してもらえることがあります。特に、全国展開しているキーパープロショップでは、磨き作業がメニューに含まれているため、単発での依頼も可能です。傷の状態に応じて、適切な対処法を選びましょう。
ボディ表面の汚れを除去できるおすすめのアイテム
近年、車のお手入れ用品は種類が豊富になり、さまざまな傷消しアイテムも販売されています。ただし、コーティング施工車に使用する場合は、傷消しアイテムではなく、お手入れ用のクリーナーを選ぶほうが安心です。
ここでは、ボディ表面の汚れを除去できるおすすめのアイテムを紹介します。
SystemX RENEW240ml
SystemX RENEW 240ml は、コーティング施工車専用のメンテナンスクリーナーです。洗車では落としきれない汚れや軽度なシミを分解し、コーティング本来の撥水性や光沢を復活させる効果が期待できます。傷に見える細かい汚れも除去可能です。
ガラスコーティングの被膜は紫外線や酸性雨、油汚れによって徐々に劣化しますが、このクリーナーを定期的に使用することで、コーティングを良好な状態に保ち、耐久性を向上させることが可能です。
また、他社製品のガラスコーティング施工車にも使用できるため、ディーラーコーティングのメンテナンスにも適しています。ワックスのように時間をかけずに手軽にメンテナンスできるのも魅力です。鳥の糞や虫の付着、樹液などによるダメージが気になる場合にもおすすめです。
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ソフト99|コーティング施工車リフレッシュクリーナー
画像引用:Amazon
ソフト99の「コーティング施工車リフレッシュクリーナー」は、コーティング被膜の上に付着した雨ジミや水アカを、優しい洗浄成分で取り除く専用クリーナーです。コーティング層を傷めずに表面の汚れを落とし、ケイ素系樹脂とWAX成分が被膜を補強することで、光沢や撥水性能を回復させます。
特に、濃色車に目立ちやすい雨ジミや、淡色車の水アカ汚れに効果的で、鳥フンや虫汚れの除去にも使用可能です。付属の専用クロスを使い、塗り広げるように拭き取るだけで施工が完了します。
磨き傷ではなく汚れによって傷のように見える場合、このクリーナーを使うことで改善する可能性があります。コーティングを維持しながらボディを美しく保ちたい方におすすめです。
コーティング施工車リフレッシュクリーナーの詳細はこちら
コーティング施工車の線傷を防ぐ方法
これまでコーティング施工車の線傷の対処法を紹介しましたが、そもそも傷が入らないようにすることが最も重要です。日頃のケアを工夫すれば、線傷の発生を大幅に抑えられます。ここでは、普段のお手入れで意識すべきポイントを解説します。
ボディ全体の汚れを水で流してから洗車を始める
手洗い洗車でよくある失敗のひとつが、少量の水をかけただけでシャンプーを始めてしまうことです。ボディに付着した砂やホコリを十分に落とさないままスポンジでこすると、細かい傷が入りやすくなります。
洗車をする際は、まず大量の水を使い、上から下へ向かってしっかりと汚れを流しましょう。特に汚れなどがたまりやすいワイパーやバイザーのすき間などまで念入りに洗い流すことが重要です。
水圧が弱いと汚れが落ちにくいため、可能であれば高圧洗浄機の使用が理想的です。しっかりと前処理を行うことで、洗車時の摩擦による線傷のリスクを抑えられます。
関連記事:車の洗車方法をプロが徹底解説8ステップで誰でもプロ洗車できる
必ずマイクロファイバークロスを使用する
細かい線傷が入りやすいタイミングのひとつが、ボディの水分を拭き取る作業です。塗装表面は想像以上にデリケートで、適切なクロスを使わないと簡単に傷がついてしまいます。
コーティング施工車を洗車する際は、必ずマイクロファイバークロスを使用しましょう。また、クロスは定期的に新しいものに交換することも大切です。汚れやホコリが付着したまま使用すると、摩擦によって傷をつける原因になります。
さらに、ボディ用とエッジ用は分けて用意しましょう。例えば、ドアノブ周りやドアの隙間、バンパー下などは特に汚れが溜まりやすいため、ボディ用のクロスと混同しないように注意が必要です。
鳥フンなどは水でふやかして落とす
鳥フンや虫の死骸がボディに付着した場合は、できるだけ早く取り除くことが重要です。ただし、ウェットティッシュなどで強引に拭き取るのは避けましょう。鳥フンには砂や硬い粒子が多く含まれており、無理に拭き取ると砂を引きずってしまい、大量の線傷が入る原因になります。
汚れを落とす際は、まず強めの水で流してみるのが理想です。それでも落ちない場合は、水を含ませたティッシュやクロスを汚れの上に置き、完全にふやかしてから優しく拭き取るようにしましょう。無理にこすらず、ボディへの負担を最小限に抑えることが大切です。
こまめに洗車する
こまめな洗車は、ボディの線傷を防ぐだけでなく、コーティングの効果を維持するためにも重要です。定期的に洗車を行うことで、汚れの固着を防ぎ、必要以上に強くこするリスクを減らせます。その結果、洗車時の摩擦による傷がつきにくくなり、シミの発生も防ぐことができます。
洗車をする際は、これまで解説した通り、まず大量の水を使ってボディ全体の汚れをしっかり流してから始めましょう。そのうえで、マイクロファイバークロスを使用し、優しく洗い上げることが大切です。適切な洗車方法を習慣化することで、愛車の美しさを長く保てます。
関連記事:コーティングした車の正しい洗車方法と手順をプロが徹底解説
ガラスコーティング施工車の傷消しはお店に相談しよう
コーティング施工車の傷消しは可能ですが、すべての傷が消せるわけではありません。爪が引っかからず、表面が滑らかなままの浅い傷であれば、コーティング被膜を傷つけずに取り除ける可能性があります。一方で、爪に引っかかるほど深い傷や、塗装の下地が見えているような傷は、自分で対処するのは難しくなります。
どちらなのか判断するのは難しいため、施工店に相談するのが最も確実です。また、実際には傷ではなく、表面についた汚れが傷のように見えているケースも少なくありません。細かい線傷であれば、クリーナーを使って埋めることも可能です。
まずは洗車後にクリーナーを使用し、線傷がどの程度改善するか試してみましょう。それでも取れない場合は、部分補修や磨きを施工店に依頼するのがおすすめです。日頃の手洗い洗車の方法を工夫しながら、愛車を美しい状態に保ちましょう。

著者情報
株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史
2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。