近年、カーコーティングの普及により、DIY向けのガラスコーティング剤が多数販売されています。施工性が向上し、未経験者でも簡単に施工できることが魅力です。

専門店のような下地処理は難しいものの、1万円以内で購入できる商品が多く、施工費用を大幅に抑えられるのも魅力といえます。一方で、種類が多く価格帯がばらばらなため、最適な商品を選ぶのに悩む方も少なくありません。

また、何度か施工経験があるものの、満足のいく商品に出会えていない方もいるでしょう。本記事では、専門店のプロがDIY向けガラスコーティング剤の選び方や、評判の高い商品をご紹介します。
関連記事:ガラスコーティングはしない方がいいって本当?理由を徹底解説

DIY向けガラスコーティング剤を選ぶポイント

DIY向けガラスコーティング剤を選ぶポイント

最適なガラスコーティング剤を選ぶ際には、水弾き性能とコーティング剤の特徴が重要なポイントです。水弾き性能には、撥水、親水、滑水のタイプがあり、それぞれ仕上がりや用途が異なります。

また、コーティング剤には完全硬化型やリキッドタイプといった種類があり、耐久性や施工手順に違いがあります。ここでは、水弾き性能の種類とともに、各コーティング剤の特徴についても詳しく解説します。

撥水タイプ

撥水タイプは、水を最も強く弾く特性があり、水をかけると細かい水玉となってコロコロと流れ落ちます。ボディ表面に付着した汚れを雨水で洗い流す「セルフクリーニング性能」に優れ、お手入れがしやすい点が魅力です。

一方で、撥水力の強さゆえに細かい水玉がボディに残りやすく、そのまま乾燥するとシミになりやすいというデメリットがあります。お手入れの頻度や駐車環境を考慮して選ぶ必要がありますが、一般的にはシミが目立ちにくい淡色車や屋内駐車のお車に適しているとされています。

親水タイプ

親水タイプは、撥水タイプの真逆で水をかけると水玉にならず、まとまって水が引いていくタイプとなります。ゆっくり水が引いていくため、汚れを引きずりやすくセルフクリーニング性能は撥水系に比べると弱めです。
関連記事:親水コーティングの特徴やメリット,おすすめコーティング剤を解説

一方で、細かい水玉ができにくいためシミの発生を抑えやすい特徴があります。一般的にシミが目立ちやすい濃色車や屋外駐車のお車におすすめと言われています。親水タイプと撥水タイプの水弾きの比較は、以下の動画でご覧いただけます。

滑水(疎水)タイプ

滑水タイプは、撥水と親水の中間に位置し、水の弾き方は撥水に似ています。ただし、撥水力が程よく調整されており、少量の水でもボディの汚れを洗い流しやすく、水玉が残りにくい点が特徴です。

撥水と親水の良い点を組み合わせた水弾き性能といえ、特定のこだわりがない方におすすめです。また、親水に近い「疎水タイプ」もありますが、弾き方に明確な違いはなく、同じタイプとして考えて問題ありません。

それぞれのタイプに特徴はありますが、撥水系だから汚れが全くつかないわけでも、親水系だからシミが完全に防げるわけでもありません。どのタイプでも「こまめな洗車」が最も重要であることを理解しておきましょう。

関連記事: 疎水ガラスコーティングとは?特徴、メリット、デメリットを解説

ガラスコーティング剤のタイプ(完全硬化型・リキッドタイプ)

DIY向けのガラスコーティング剤には、「完全硬化型」と「リキッドタイプ」の2種類があります。完全硬化型は硬い被膜を形成し、高い耐久性が特徴です。ただし、料金は高めで、スポンジで丁寧に塗布し溶剤を均一にする必要があるため、施工はやや難しいといえるでしょう。

一方、リキッドタイプは、ウエスに吹きかけて塗り広げるだけで簡単に施工が可能で、洗車のついでに作業できて料金も手頃です。ただし、耐久性は完全硬化型より劣るため、定期的なメンテナンスが必要です。

完全硬化型は長期間の保護を重視する方、リキッドタイプは手軽さやコストを重視する方に適しています。どちらを選ぶ場合でも、施工前の下地処理が仕上がりに大きく影響する点を忘れないようにしましょう。
関連記事:車のコーティングは全4種類!各特徴と愛車にマッチする種類の選び方

プロが使う業務用のガラスコーティング剤と市販商品の違い

プロが使う業務用のガラスコーティング剤と市販商品の違いについて解説するイメージ

ネットでガラスコーティングを調べると、「プロが使う」「業務用で最強」といった検索ワードが見受けられます。これまでのコーティング剤に満足できず、さらに効果の高い商品を探している方もいるでしょう。プロが使う業務用と市販品の主な違いとして「成分の濃度」があります。

成分が濃いほど効果が高く、耐久性も向上しますが、その分施工が難しくなり、徹底した下地処理でボディの状態を整える必要があります。さらに、湿度や温度を管理した施工環境も不可欠で、業務用コーティング剤はこうした条件が整った環境での使用を前提としています。

すべての商品に当てはまるわけではないものの、業務用商品を使用する際には、これらのメリットとデメリットを理解したうえで選ぶようにしましょう。

プロが選んだおすすめのコーティング剤

コーティング専門店・カービューティーアイアイシ―では、最上級の品質を求める方向けに、DIY商品を開発し販売しています。業務用と遜色のないほどの品質を持ちながら、施工性にも優れています。

ここでは、その中でも特におすすめのDIY用ガラスコーティング剤を3つ紹介していきますので、ぜひお試しください。

SCHILD® 撥水ガラスコーティング剤25ml

プロがおすすめするガラスコーティング剤:SCHILD® 撥水ガラスコーティング剤25ml

SCHILDシリーズは、最上級の品質を求める方向けの商品であり、SCHILD撥水ガラスコーティング剤は、完全硬化型の商品です。施工後7日間程度で完全硬化した被膜は、耐熱性や耐紫外線性に優れており、洗車時のスクラッチキズを防止します。

成分濃度や内容も業務用と同レベルとなっており、施工後はこまめな洗車だけで3年間ほど美しい光沢を維持できます。硬化速度は速いものの、説明書通りに施工すれば、未経験者でも十分に施工できる商品です。

当該商品に使用できるメンテナンス剤も販売しておりますので、これまでのDIY商品に納得のいっていないような方は、ぜひお試しください。

SCHILD撥水ガラスコーティング剤の詳細はこちら

SCHILD® 撥水リキッド290ml

SCHILD® 撥水リキッド290ml

SCHILD® 撥水リキッド290mlは、リキッドタイプのガラス系コーティング剤で、超撥水性能により高い防汚性効果を発揮します。深みのある光沢も特徴であり、愛車をキレイな状態で維持できる商品です。

リキッドには、軽度なシミの除去効果もあり、洗車のあとなど定期的に施工するのがおすすめです。施工方法は固絞りしたクロスにリキッドを吹きかけて、ボディ全体に馴染ませていくだけであるため、簡単です。撥水タイプ以外も販売しておりますので、ぜひお試しください。

SCHILD® 撥水リキッド290mlの詳細はこちら
SCHILD® 親水リキッド290mlの詳細はこちら
SCHILD® 滑水リキッド290mlの詳細はこちら

SystemX RENEW240ml

プロがおすすめするガラスコーティング剤:SystemX RENEW240ml

SystemX RENEW 240mlは、セラミックコーティングメーカー「SystemX」が提供する、カーコーティング後のメンテナンス剤です。コーティング未施工車にも使用でき、汚れ除去と強力な超疎水性能を発揮します。

滑らかでみずみずしい光沢が特徴で、ボディだけでなくホイールやプラスチック部分にも効果的です。使用方法は簡単で、マイクロファイバークロスにリキッドを吹きかけ、塗り広げるだけ。240mlの大容量で、車を長期間美しく保てます。当店では、ガラスコーティング剤だけでなく、施工後のお手入れ用品や下地処理用の商品も販売しております。

SystemX RENEW 240mlの詳細はこちら
洗車用品の詳細はこちら
下地処理用品の詳細はこちら

プロが選んだおすすめの窓ガラス用コーティング剤

窓ガラスへのコーティングも、快適なカーライフを送るうえで欠かせません。「ガラコ」など費用を抑えた商品が数多く販売されています。

ここでは、プロ仕様の耐久性に優れた窓ガラス用コーティング剤を紹介していきます。

SCHILD® 窓ガラス専用撥水コーティング剤

SCHILD®窓ガラス専用コーティング剤

SCHILD® 窓ガラス専用撥水コーティング剤は、雨の日が楽しみになるほどの高い撥水力が特徴であり、ビーズのようにコロコロと雨水が流れていきます。一定以上の速度になると、ちょっとした雨水でもワイパーなしで走行可能です。

はじめに油膜取りを行い、洗車した後にコート剤を塗り込んでいきます。※ガラスがキレイな場合は油膜除去は必要ありません。※本商品に油膜除去剤は含まれていません。プロ仕様でありながら、価格も安くおすすめの商品です。

SCHILD® 窓ガラス専用撥水コーティング剤の詳細はこちら
窓ガラスの油膜除去剤の詳細はこちら

SystemX 窓ガラス専用コーティング剤10ml

プロが選んだおすすめの窓ガラス専用コーティング剤:SystemX 窓ガラス専用コーティング剤10ml

SystemX 窓ガラス専用コーティング剤は、疎水系の撥水効果を得られる業務用の窓ガラスコーティング剤です。圧倒的な耐久性が特徴であり、最長2年間効果が持続します。

施工性にも優れており、耐久性や品質を重視したい方向けの商品です。

SystemX 窓ガラス専用コーティング剤の詳細はこちら

評価の高い通販ガラスコーティング剤

近年、DIY向けのガラスコーティング剤が多数販売されており、成分や価格は商品によって異なります。どの商品が良いのかよく分からないという方もいるでしょう。

ここでは、市販されている商品の中でも特に評価の高いガラスコーティング剤を3つ紹介していきます。

Prostaff(プロスタッフ)|CCウォーターゴールド 300ml


画像引用:Prostaff

Prostaffが販売するCCウォーターゴールド330は、洗車後の濡れたボディにスプレーして拭くだけで、深い艶と高い撥水効果を得られるガラス系コーティング剤です。主成分のガラス系ナノコロイドと濃艶プレミアム成分が塗装面に浸透し、透明感のある輝きを実現。UV吸収剤も配合され、色あせ防止効果もあります。

ボディだけでなく、ヘッドライトやホイール、車内のダッシュボードにも使用可能で、繰り返し使うことでコーティング被膜が強化されます。Amazonではこれまでに1万を超えるレビューが付いており、5つ星満点で4.4と非常に高い評価を得ています。

「施工がとても簡単で、ワックスのような艶がとにかく好き」といった声が多数ありました。

KURE|LOOXレインコート 240ml

評価の高い通販ガラスコーティング剤:KURE|LOOXレインコート 240ml
画像引用:KURE(呉工業) LOOX(ルックス) レインコート 240ml 超耐久撥水ボディコート|Amazon

KUREの「LOOXレインコート 240ml」は、自動車ボディ用のガラスコーティング剤で、優れた流撥水性と深い光沢が特徴です。洗車後の濡れたボディにスプレーし、拭き上げるだけで施工が完了し、強靭なコーティング被膜が形成されます。

全てのボディカラーに対応しており、ヘッドライトやホイールなどのパーツにも使用できます。また、UV劣化防止効果も備えており、車の美観を長く保つことができます。付属のマイクロファイバークロスを使用して簡単に施工できるため、手軽にプロのような仕上がりを実現したい方におすすめの製品です。

Amazonでは4,000を超えるレビューが付いており、5つ星満点で4.4を獲得しています。「施工がとても簡単で、安い割には撥水力がとにかくすごい」といった声がありました。

SurLuster(シュアラスター) |ゼロプレミアム 280ml


画像引用:SurLuster(シュアラスター) ゼロプレミアム 280ml|Amazon

シュアラスターの「ゼロウォーター 280ml」は、洗車後にスプレーして拭き上げるだけで使用できるガラス系コーティング剤です。このシリーズでは親水タイプと撥水タイプがあり、好みに合わせて選べます。車のボディ、ウィンドウ、ホイール、樹脂パーツなどに使用可能で、全塗装色に対応しているのも特徴です。

使い方は簡単で、濡れたボディにも乾いたボディにも施工でき、繰り返し使用することで輝きと防汚効果が高まります。紫外線を防ぐ成分も含まれており、車の美観を長期間保つのに役立つアイテムです。

Amazonでは4,000件近くのレビューがあり、5つ星満点中、4.3を獲得しています。耐久性や光沢を評価する声が多い印象でした。

関連記事:【2024年最新】プロおすすめガラスコーティング剤ランキング

ガラスコーティングのDIY施工と専門店施工の違い

ガラスコーティングのDIY施工と専門店施工の違いについて解説するイメージ

ガラスコーティングのDIY施工は数千円程度で済みますが、専門店に依頼した場合はサイズによって6~15万円ほどの費用がかかります。使用するコーティング剤に違いがあるとはいえ、なぜそんなに差があるのか疑問に感じている方もいるでしょう。

DIY施工と専門店施工の違いは「徹底した下地処理」と「最適な施工設備の完備」があります。ここでは、この2つの詳細について解説します。内容を理解したうえで専門店での施工も検討してみましょう。

徹底した下地処理

コーティング施工の仕上がりを大きく左右するのが、下地処理です。具体的にはシミや鉄粉の除去、研磨作業などが該当します。施工前に徹底してボディ表面を整えることで、圧倒的な輝きを取り戻し、コーティング被膜の密着度にも大きく影響します。

簡単な下地処理しかしていない車に最高級のコーティングを施工するのと、徹底した下地処理を行っただけの車では、圧倒的に後者の方が美しいと言っても過言ではありません。

下地処理には専門知識やスキルが求められ、誰でも簡単にできるわけではなく、作業には数日かかります。DIY施工と専門店では、同じ商品を使用したとしても、仕上がりに圧倒的な差が生まれます。

最適な施工設備の完備

専門店では、コーティング効果を最大限に発揮するために、さまざまな設備を完備しています。当店を例に紹介すると、各作業ごとにブースを完備しており、脱脂洗浄ではミネラルの膜ができないように純水処理装置を使用します。

コーティング施工は専用ブースで行われ、スプレーガンなどの使用により均等かつ細かい部分までの施工が可能です。乾燥では完全硬化させるために遠赤外線による熱乾燥を行っています。

このように各作業に応じて適切な設備を整え、機材を使用することで、コーティング被膜の強度や密着度が高まります。そのため、同じ商品でも耐久性などに違いが現れます。詳細は、以下の動画をご覧ください。

動画引用元:carbeauty iic|YouTube

関連記事↓
車のコーティングおすすめ専門店9選と後悔しない8つのチェック事項
カーコーティングの焼き付け作業の効果性とは?メリットや注意点を解説

ガラスコーティングに関するよくある質問

ガラスコーティングに関するよくある質問について解説するイメージ

最後はガラスコーティングに関する、3つのよくある質問に答えていきます。

・最強のガラスコーティング剤の選び方は?
・ガラスコーティング施工で後悔することはある?
・ガラスコーティングはしない方がいいって本当?

商品の選び方や、DIY施工の注意点に関する内容ですので、施工方法を検討するうえで参考にしてみてください。

最強のガラスコーティング剤の選び方は?

最強のガラスコーティングを選ぶ基準は人それぞれ異なるため、購入時にはレビューを参考にするのがおすすめです。耐久性や艶の美しさ、施工のしやすさなど、気になるポイントを確認しましょう。

有名な商品であれば、YouTubeで施工動画が公開されていることも多く、実際の使用感を確認できます。また、成分面で最強の商品を求めるなら、濃度の高い業務用がおすすめです。ただし、全てを比較するのは難しいため、口コミなども合わせてチェックするのが良いでしょう。

ガラスコーティング施工で後悔することはある?

ガラスコーティングについてネットで検索すると、「後悔」といった声が見られることがあります。その主な理由は、耐久性に関する認識のズレです。「コーティング=お手入れ不要で数年間キレイな状態が続く」と誤解している人もいますが、コーティングの保証年数は、こまめな洗車や定期的なメンテナンスが前提です。

例えば、10万円以上のコーティングを施工しても、青空駐車で放置すれば半年ほどで効果が薄れてしまうケースがあります。DIY施工の場合では、下地処理が不十分なまま施工してしまったことでムラやギラツキが生じ、かえって見栄えが悪くなることなどが考えられます。

中古車でボディの状態が悪い場合は、無理をせず専門店に依頼することを検討しましょう。

ガラスコーティングはしない方がいいって本当?

ガラスコーティングに耐する声に「しない方がいい」といった内容もありますが、施工したことで車の性能などが落ちるようなことはなく、しない方がいいという認識は間違いと言えます。

ただし、前述した通り正しい認識を持たないまま施工してしまうと、すぐに効果が落ちてしまったり、美しい仕上りにならずに「施工しなければ良かった」と後悔する可能性もゼロではありません。

コーティングについて最低限の知識を身につけたうえで、施工を検討するようにしましょう。

関連記事:ガラスコーティングはしない方がいいって本当?理由を徹底解説

理想のガラスコーティング剤を見つけてカーライフを楽しもう

理想のガラスコーティング剤を見つけてカーライフを楽しもう

理想のガラスコーティング剤を見つけるには、水の弾きや商品のタイプについて特性を理解しておくことが大切です。そのうえで、要望に合うものを絞りながら合いそうな商品を見つけていきましょう。

今回紹介した、商品は品質が高く利用者の評価を得ているものばかりとなります。全て数千円程度ですので、気になるものがあれば試してみましょう。

施工した後は、こまめにお手入れすることで、愛車をキレイな状態で維持できるようになります。コーティング施工でこれまで以上にカーライフを楽しみましょう。

関連記事:意外と知らないガラスコーティングした後の手入れ方法をプロが解説

著者情報

株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史

2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。