車の水垢落としをプロが解説｜おすすめの除去剤や依頼料金も紹介！｜カービューティーIIC

愛車をキレイな状態で維持するうえで避けて通れない悩みが「水垢」です。洗車をしても、ミラーやドアハンドルから水垢が垂れて目立つことがあります。放置するとこびりついて跡が残る可能性もあり、厄介な存在です。

頑固な水垢には専用の水垢落とし商品が有効ですが、「商品が多すぎて選べない」と悩む方もいるでしょう。強くこすると傷がつくリスクもあり、水垢の正しい落とし方が分からないという相談も少なくありません。

この記事では、コーティング専門店のプロが水垢の除去方法やおすすめの商品、作業時の注意点について詳しく解説します。実践で試してみてください。

車の水垢の種類は2種類

 

今回は車にできる水垢について解説しますが、ボディにできるシミ汚れには「水垢」「イオンデポジット」「花粉や黄砂のシミ」など、さまざまな種類があります。愛車にできるシミの正体が分からないという方もいるでしょう。

シミ汚れや水垢をしっかり除去するには、その正体について正しく理解することが重要です。この記事では、シミ汚れの見分け方や効果的な成分について解説します。

黒い水垢は汚れによって発生したシミ

黒いシミ状の汚れは、空気中の油分や排気ガス、泥汚れが原因で発生します。これらの汚れが雨水や洗車後の水滴と混ざり合い、乾燥することで黒い水垢となります。特に、車のミラーやドアハンドル下など、水が垂れやすい箇所に発生しやすいのが特徴です。

黒い水垢の成分は、油分や炭素系の微粒子、土埃などが混ざり合ったものです。これらは塗装面に付着しやすく、蓄積すると見た目が悪くなるだけでなく、汚れが落ちにくくなるため、早めの対処が必要です。

有効な成分としては、中性から弱アルカリ性のクリーナーがあります。これらのクリーナーは油分や汚れを分解し、塗装を傷つけることなく除去できます。ただし、アルカリ成分の強いものは塗装やメッキにダメージを与える恐れがあるため、注意が必要です。

白い水垢はイオンデポジット

ボディにできる白いシミのような汚れの正体は、イオンデポジットと呼ばれるものです。これは、水滴が乾燥する際に、ミネラルやカルシウムなどの成分が残ることで発生します。主な原因は、雨や洗車後の水滴をそのまま放置することです。特に硬水地域や、酸性雨が降りやすい環境では発生しやすくなります。

イオンデポジットの成分は、カルシウムやマグネシウム、塩分などの無機物です。これらは塗装面に固着しやすく、放置すると取り除きにくくなるため、早めの対処が必要です。

有効なのは酸性成分で、クリーナーに含まれる酸性成分がアルカリ性のミネラルを中和し、除去しやすくします。ただし、酸性成分は塗装表面やアルミ素材にもダメージを与えるため、正しく取り扱う必要があります。「水垢などの酸性成分にはアルカリ成分」「イオンデポジットなどのアルカリ成分には酸性成分」というポイントを理解しておきましょう。

関連記事：イオンデポジットとウォータースポットの原因と5つの対策を解説｜カービューティーIIC

専用の除去剤を使用した水垢の落とし方

汚れ別で有効な成分について理解した後は、専用の除去剤を使用して実際に愛車の水垢を除去していきます。ただし、酸性やアルカリ成分の強いものは、ボディにもダメージを与える恐れがあるため、取り扱いには注意が必要です。

ここでは、作業する際の注意点を交えながら水垢除去作業の流れについて解説します。

洗車でボディ表面の汚れを取り除く

水垢落とし作業を始める前に、まずは洗車でボディ表面の汚れをしっかり取り除きましょう。いきなり水垢除去剤を使うと、表面に残った砂埃や汚れが引きずられ、ボディが傷つく恐れがあります。また、表面に汚れの膜があると、水垢除去剤の成分がシミや水垢に十分浸透しません。そのため、軽度な汚れはあらかじめ洗車で洗い流しておくことが重要です。

洗車の際には、まず上から下へと順番に大量の水をかけて砂埃を流し、その後シャンプーで汚れを落とします。この手順を守ることで、汚れを引きずりにくくなり、スクラッチ傷を防ぐことができます。

水垢除去剤は濡れたボディに使用するものが多いため、洗車後はそのまま濡れた状態で次の作業へと移りましょう。

水垢除去剤をボディに塗る

水垢除去剤は、水垢に成分がしっかり浸透するよう、ボディに優しく塗り込んでいきます。その後、商品に記載されている時間だけ放置して浸透を待ちましょう。ただし、この間にボディが乾燥すると、アルカリ性成分などが原因で変色を引き起こす可能性があります。乾燥しそうな場合は、軽く水をかけてボディを湿らせ、乾燥を防ぎましょう。

また、アルカリ成分は塗装にも影響を与える可能性があるため、使用する商品を慎重に選ぶ必要があります。一部の除去剤には「クリア塗装用」や「濃色車用」などの記載があるため、自分の車の塗装に適したものを選びましょう。

一定時間放置してから除去剤を洗い流す

除去剤を一定時間放置した後は、しっかりと水で洗い流します。一度でシミが取れない場合は、再度同じ作業を繰り返してみましょう。ただし、効果を高めようと放置時間を長くしすぎると、塗装が変色する可能性があるため注意が必要です。

ぬめりのある除去剤は、水をかけただけでは流れ落ちにくいため、最後に再度洗車することをおすすめします。ボディに残ると、変色や塗装へのダメージを引き起こす恐れがあるため念入りに洗車を行い、完全に除去しましょう。

家にある水垢取りグッズを車に使用するのはNG

ネット上では、家庭用のキッチンやお風呂用の水垢取り製品も有効といった情報もありますが、車への使用はおすすめしません。車の塗装への使用を想定しておらず、成分が強力なものが多く含まれています。

これらの製品を車に使用すると、塗装の変色や劣化を引き起こす可能性があります。特に、酸性やアルカリ性の強い成分は、車の塗装やメッキ部分にダメージを与えるリスクが高いため、使用は避けるべきです。

YouTubeなどの解説動画を真似して、キレイに水垢が取れることもありますが、自己責任で作業するようにしましょう。

「車の水垢取りの裏技」にも注意が必要

車の水垢を除去する際、ネット上で紹介されている「裏技」には注意が必要です。例えば、重曹を使って優しくこする方法がありますが、重曹の粒子は細かくても、塗装面に微細な傷をつける可能性があります。

また、家庭用の酢をガラスの水垢取りに使用する方法もありますが、酸性成分がボディに付着すると塗装を傷める恐れがあります。これらの方法は一見効果的に思えるかもしれませんが、車の塗装やガラスは家庭用の素材とは異なるため、専用クリーナーを使うのが安心です。

「裏技」は安易に試さず、車に適した方法を選ぶことが大切です。どうしても試したい場合は、目立たない場所で確認してからにしましょう。

プロがおすすめする最強の水垢取りアイテム

コーティング専門店・カービューティーIICでは、DIY施工向けにさまざまな下地処理商品を販売しています。豊富なノウハウを基にして開発されており、固着した水垢にも効果的です。

ここでは、水垢やシミ汚れの除去に役立つアイテムを3つ紹介していきます。普段のお手入れでぜひお試しください。

SCHILD® 水垢除去剤（淡色専用・濃色車専用）

SCHILD® 水垢除去剤は、淡色車のボディに固着した頑固な水垢や、くすみを効果的に除去するために開発された製品です。微粒子研磨剤を含有しており、通常のシャンプー洗車では落としきれない汚れをしっかりと取り除き、クリアな輝きを取り戻します。

淡色車と濃色車で分かれていますので、購入する際には間違えの内容にご注意ください。

・SCHILD® 水垢除去剤（淡色専用）の詳細はこちら
・SCHILD® 水垢除去剤（濃色専用）の詳細はこちら

SCHILD®イオンデポジット除去剤【コーティング施工車対応】

SCHILD® イオンデポジット除去剤は、車の塗装面や樹脂パーツに付着した頑固なイオンデポジットやウォータースポットを効果的に除去するために開発されたプロ仕様のクリーナーです。

無機酸塩やキレート酸を配合し、これらの成分が化学的に汚れを分解することで、通常の洗車では落としきれないシミや黒ずみ、水垢を簡単に取り除くことができます。

・SCHILD® イオンデポジット除去剤の詳細はこちら

【ガラス用】SCHILD® ガラス研磨剤「油膜除去剤」

フロントガラスなどの雨染みや水垢に関しては、SCHILD® ガラス研磨剤がおすすめです。車の窓ガラスに付着した、頑固な油膜や水垢を効果的に除去するために開発された業務用クリーナーです。コーティングプロショップでも採用されており、ガラス面を新車のようにクリアな状態に戻します。

これらの商品を使用して、効率よく愛車の水垢やシミを除去しましょう。

・【ガラス用】SCHILD® ガラス研磨剤「油膜除去剤」の詳細はこちら

水垢除去剤を使用する際の注意点

水垢除去剤を使用する際は、いくつかの注意点を守る必要があります。まず、除去剤は乾燥するとシミや塗装の変色を引き起こす可能性があるため、炎天下での使用は厳禁です。また、作業中にボディが乾かないよう、適宜水をかけて湿らせておくことが重要です。

メッキ部分に付着すると変色することがあるため、使用時には注意が必要です。付着した場合は、早急に洗い流しましょう。水垢除去剤には、化学成分で汚れを分解するタイプと、微粒子を含んで物理的に汚れをこするタイプがあります。後者はコーティング施工車に使用するとコーティング層を傷つける可能性があるため、適用範囲を確認しましょう。

さらに、酸性やアルカリ性の成分は肌荒れを引き起こす可能性があるため、ゴム手袋を着用して作業することをおすすめします。これらを守ることで、安全かつ効果的に水垢を除去できます。

水垢取りを依頼できるお店と作業料金

水垢やシミを長時間放置すると、塗装表面のクリア層にまで浸透し、簡単に除去できなくなることがあります。また、除去できたとしても、表面に凹凸の跡が残る場合があります。

このような状態になった場合は、専門的な除去作業を行うプロに依頼するのが最善の方法です。ただし、依頼するお店によって作業内容や料金が異なるため、事前に確認することが重要です。ここでは、各お店の水垢取り料金について解説します。

オートバックス

オートバックスでは、店舗によって対応メニューが異なりますが、一部店舗にて水垢除去の依頼ができます。一例として、オートバックス・可児店では、洗車メニューのオプションメニューとして「水垢除去」を1,650～3,630円（サイズ別）で依頼できます。

水垢除去の作業内容は、特殊洗剤でボディを傷つけることなく除去するというもので、目安時間は15分～です。また、オートバックスセブンが展開するコーティングと洗車の専門店「Smart＋1」では、外装リフレッシュメニューとして、ボディ磨きが8,200円～で依頼できます。

ボディに凹凸がある場合は磨き作業を検討してみましょう。

参考：オートバックス可児店
参考：Smart＋1

イエローハット

イエローハットの詳細メニューは店舗によって若干の違いがあるものの、ボディコーティングメニューが3種類用意されています。作業の下地処理には水垢除去も含まれており、オプションメニューとして研磨作業も用意されています。

水垢除去のみの依頼はできないものの、コーティングも一緒に依頼しようと考えている場合は、施工を検討してみましょう。ちなみに、コーティングの価格は、16,500円～となります。※オプション別

参考：ボディコーティング｜イエローハット

エネオスなどのガソリンスタンド

エネオスなどのガソリンスタンドは、ポリマーコートといった簡易コーティングや手洗い洗車を扱っているお店が多くあります。詳細はお店によるものの、洗車メニューのオプションとして水垢除去の依頼も可能です。

エネオスの公式サイトによると、洗車メニューのオプションとして、水垢取りを実施しています。料金は記載されていないため、詳しくは最寄りの店舗に連絡し確認してみましょう。

参考：洗車｜ENEOS

キーパープロショップ

全国に6,400店舗以上を展開する「キーパープロショップ」でも水垢除去を依頼できます。複数のコーティングが用意されており、下地処理の1つとして水垢除去を行っているだけでなく、洗車メニューとして「ミネラル取り洗車」があり、3,770円～で依頼可能です。

また、各種シミ取りや精密研磨などのオプションも用意されていますので、通常洗車で取れないようなシミや汚れがある場合は、依頼を検討してみましょう。

参考：KeePer

コーティング専門店

コーティング専門店では、コーティング作業の中で徹底した下地処理を行っており、その中に水垢除去が含まれています。水垢除去のみのメニューがあるお店は少ないものの、相談することで対応してくれる可能性が高いため、ボディの凹凸などが気になる方は、依頼を検討してみましょう。

コーティング施工も一緒に依頼することで、施工後のアフターケアも付いてくるため、安心です。ただし、全てのお店が優良店とは限らないため、依頼先を決める際には、しっかりと比較を行うようにしましょう。

関連記事：車のコーティングおすすめ専門店9選と後悔しない８つのチェック事項

水垢取りに関するよくある質問

最後は水垢取りに関する、3つのよくある質問に答えていきます。

・水垢取りの裏技はある？
・激落ちくんで水垢は取れる？
・ガラスのウロコが取れない場合はどうしたらいい？

水垢取りの裏技はある？

水垢取りの裏技として、キッチン掃除などに使用する重曹を使用したり、お酢をかけて酸のチカラで汚れをシミ成分を分解するといった情報がネット上で見受けられます。

これらの裏技を試せば、車の水垢やシミが取れる可能性もありますが、基本的におすすめしません。車のボディは繊細であり、塗装表面のクリア層に応じたものを使用しなければ、傷や変色の原因になります。

除去剤を使用してもきれいにならない場合は、研磨などを行っている専門店への相談をおすすめします。どうしても試してみたい場合は、自己責任で行うようにしましょう。

激落ちくんで水垢は取れる？

激落ちくんはメラミンスポンジで作られ、非常に細かい無数の網目構造を持つため、汚れを効果的に削り取れる特徴があります。ただし、その洗浄力が強力な分、塗装表面のクリア層まで削り取ってしまう可能性があるため、車での使用はおすすめできません。

実際、「ヤフー知恵袋」では「光沢がなくなった」といった症状に関する相談が複数投稿されています。激落ちくん自体は非常に優れた商品ですが、推奨されている箇所に限定して使用するようにしましょう。

参考：Yahoo!知恵袋

ガラスのウロコが取れない場合はどうしたらいい？

ガラスのウロコは時間が経つほど、固着が進み洗車だけでは除去が難しくなります。頑固なガラスのウロコや水垢は、微粒子が配合された車の窓ガラス専用の除去剤を使用しましょう。

それでも取れない場合は、機械による研磨が必要です。専門店で対応してもらえますので、相談してみましょう。費用はお店によりますが、ウロコ除去後のガラスコーティングも含めて1～3万円が相場です。

関連記事：フロントガラスの油膜,ウロコ,シミを超簡単に落とす方法と予防策

上手に水垢を除去して愛車をキレイな状態で維持しよう

水垢は排気ガスや泥汚れが混ざり合うことで発生します。軽度なものであれば洗車で落とせますが、固着してしまうと水垢除去剤が必要です。除去剤には、アルカリ成分で水垢を分解するタイプや、微粒子で物理的に除去するタイプがあります。

これらの商品は成分が強力なため、使用後にボディに残ると変色などのリスクがある点に注意が必要です。除去剤でも落ちない場合は、専門店に依頼することも検討しましょう。

また、除去後にコーティング施工を行うことで、汚れの固着を防ぎ、水垢がつきにくくなります。適切なメンテナンスで愛車をキレイな状態に保ちましょう。