近年、カーコーティングの主流はガラスコートですが、圧倒的な艶と施工性の良さが特徴のポリマーコーティングも根強い人気を誇ります。施工費用の安さやメンテナンスの手軽さも、多くの人から支持されています。
ポリマーコーティングを検討している方にとって気になるのが寿命です。コーティングの種類によって耐久性は大きく異なりますが、日々のメンテナンスで寿命は伸ばせます。
この記事では、ポリマーコーティングの寿命や、寿命を伸ばす具体的な方法について分かりやすく解説していきますので、参考にしてみてください。
ポリマーコーティングの寿命は約3ヵ月
コーティングの寿命は、ボディに形成されるコーティング被膜の性質によって異なります。特に重要なのが硬度と膜厚で、硬くて分厚い被膜を形成するほどコーティングの寿命は長くなります。
ポリマーコーティングは、柔軟性の高さが特徴であり、分厚い被膜を形成できる一方で、硬度はかなり低いと言えるでしょう。そのため、コーティングの寿命は約3ヵ月ほどであり、近年主流となっているガラスコーティングと比べると短いと言えます。
ちなみに、最も耐久性が高いのはセラミックコーティングで、9Hほどの硬い被膜を形成し、被膜も分厚いため寿命は5~10年となります。※コーティングの寿命は定期的にメンテナンスを受け続けることを前提としています。
ポリマーコーティングの寿命が短い理由
ポリマーコーティングの寿命がガラスコーティングと比べて短い理由は、被膜が非常に柔らかく熱に弱いことが影響しています。
ガラスコーティングのように固くないため、耐擦り性能が低く、太陽光の熱により被膜が次第に溶けていきます。紫外線などのダメージも受けやすいため、3ヵ月ほどでコーティング効果はほとんどなくなってしまうのです。
ただし、柔軟性のある被膜は細かい傷を埋めてくれるため、施工直後は驚くほどキレイな光沢が蘇るといった魅力もあります。
関連記事:ガラスコーティングの耐久性とは?寿命を延ばす2つの方法
ポリマーコーティングの寿命を伸ばす方法
ポリマーコーティングの寿命は、定期的なお手入れと駐車環境の改善で伸ばすことができます。コーティングは汚れの固着を防ぎやすいものの、少しずつボディには汚れや油分が付着していきます。
汚れと雨水が混ざってしまうと、表面にシミができてしまい、次第に被膜の中まで浸食してしまうため、定期的に洗車することが大切です。洗車後に専用のメンテナンス剤を使用することで、さらに保護効果が増します。
ポリマーコーティングは熱や紫外線に弱いため、できるだけ屋内に駐車するようにしましょう。青空駐車の場合は、ボディカバーをすると効果的です。
ポリマーコーティングのメンテナンス方法
前述の通り、お手入れの際に専用のメンテナンス剤を使用すると、コーティングの寿命を伸ばせます。専用メンテナンス剤には、商品に付属しているもの以外にも、さまざまなコーティング剤に使用できる汎用クリーナーもおすすめです。
洗車後にメンテナンス剤を全体に塗布することで、被膜の上に犠牲用の被膜が形成され、汚れや紫外線からボディを守りやすくなる仕組みです。
当店でもコーティングの種類に関係なく使用できるクリーナーを販売していますので、ポリマー商品やガラス商品にかかわらず、ぜひ活用してみてください。
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ポリマーコーティング施工車に洗車機はNG
洗車機は短時間でボディを洗えますが、コーティング施工車の使用は基本的におすすめしません。自動洗車機はブラシを定期的にお手入れしていないお店が多く、劣化したブラシで必要以上の強さでボディを洗ってしまうため、被膜が剥がれたり、傷だらけになる可能性があります。
特にポリマーコーティングは被膜が柔らかいため、一度洗車機を使用しただけでも剥がれてしまう可能性が高いと言えます。どうしても使用したい場合は「ノンブラシタイプ」の使用をおすすめします。
関連記事:コーティングした車に洗車機は絶対NG!3つの理由と最適な洗車方法
洗車のタイミングで再施工する方法もおすすめ
無理に施工時の被膜を守ろうとせずに、洗車するタイミングで再施工する方法もおすすめです。ポリマーコーティングは、被膜が柔らかく施工性の良さが特徴であるため、DIY用の商品であれば洗車のついでに再施工することも可能です。
洗車後にボディに吹き掛けて全体に塗り広げる商品や、シャンプーとポリマーコーティングが一緒になっており、洗うだけで施工できるタイプの商品もあります。
耐久性はかなり低いものの、ガソリンスタンドの洗車機には、ポリマーコート付きのメニューが用意されているものもあります。
ポリマーコーティングの特徴と適性
ポリマーコーティングには、ガラスコーティングにはない特徴があり、良い面もあれば施工前に知っておくべき注意点もあります。
ここでは、ポリマーコーティングの特徴と、どのような人におすすめなのか、適性についても解説します。内容を理解した上で、最適なコーティングを選んでみてください。
ポリマーコーティングのメリット・デメリット
ポリマーコーティングのメリットとしては、ヌルっとした厚みのある艶があります。柔軟な被膜が細かい傷を埋めてくれるため、ボディをキレイに磨いたように仕上がります。
施工費用はお店で施工した場合でも2~3万円ほどと安く、DIY施工であれば数千円ほどに抑えられます。被膜が固まりにくく拭きのばしやすいため、自分で施工しやすいことも大きなメリットと言えるでしょう。
一方で、ガラスコーティングと比べて耐久性が低く、定期的に再施工が必要です。1回あたりの施工費用は安いものの、数年単位で比較するとガラスコーティングの方が安く済むケースもあります。また、被膜が柔らかいため耐擦り性能がなく、紫外線などのダメージを受けやすいといったデメリットがあります。
関連記事:ガラスコーティング8つのメリットと5つのデメリットを専門家が解説
ポリマーコーティングをおすすめする人
ポリマーコーティングは施工費用が安く、DIY施工で誰でも簡単に施工できるため、お試し感覚でコーティングをしてみたい人におすすめです。また、ワックスのようなヌルっとした艶にこだわりたい方におすすめです。
今の車に数年以上乗る予定であり、コーティング効果を長く実感したい場合は、ガラスコーティングがおすすめですが、長く乗る予定のない人であれば、ポリマーコーティングの方がコスパが優れていると言えるでしょう。
関連記事: ガラスコーティングって必要?プロがおすすめする5つの理由
施工費用を抑えたい場合はガラスコーティングのDIY施工がおすすめ
ポリマーコーティングは施工費用が安く、誰でも簡単に施工できますが、近年はガラスコーティングのDIY商品も数多く登場しています。
ガラスコーティングのDIY商品は、施工性が改良されており、ポリマ―コーティングとほぼ同じ費用での施工が可能です。強固な被膜を形成するため耐紫外線性や耐擦り性能に優れており、寿命もポリマ―コーティングと比べると大幅にアップします。
DIY商品には、上級者向けの「完全硬化型」の商品や比較的簡単に施工できる「リキッド型」の商品もあります。施工費用をなるべく抑えたい場合は、ガラスコーティングのDIY施工がおすすめです。
関連記事:車のガラスコーティングを自分で簡単にやる方法をプロが暴露
おすすめのガラスコーティング剤3選
前述の通り、DIY商品は施工性が改良されており施工経験のない人でも安心して施工できます。特にリキッドタイプは施工のしやすさが特徴で、洗車のタイミングなどで気軽にお手入れしたい方におすすめです。
コーティング専門店・カービューティーIICでは、豊富な施工経験を品質の高さはそのままに、誰でも施工できるDIY商品を販売しております。ここでは、特におすすめの商品を3つ紹介しますので、DIY施工予定の方はぜひお試しください。
SCHILD撥水リキッド
SCHILD撥水リキッドはガラス系コーティング商品で、強固な被膜により高い耐久性と撥水効果が備わります。
施工方法は、洗車後に固絞りしたマイクロファイバークロス(別売り)にリキッドを吹き付けて、ボディに塗り込むだけです。最後に別のクロスで仕上げ拭きすれば施工完了です。軽度なシミを取り除く効果もあり、メンテナンス感覚で施工できます。
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SCHILD滑水リキッド
SCHILD滑水リキッドは、滑水タイプのガラスコーティング商品です。滑水タイプは親水系と撥水系の中間に位置しており、ボディに水玉が残りにくく、ボディに付着した汚れを少量の水で洗い流せる特徴があります。
耐久性に優れており、光沢も備わります。先に紹介した撥水タイプと同じ作業方法で施工できます。この他に親水タイプの商品も販売しています。
・SCHILD滑水リキッドの詳細はこちら
・SCHILD親水リキッドの詳細はこちら
SystemX RENEW
SystemX RENEWは最上級のセラミックコーティングブランドとして有名な「system X」の商品で、超疎水系のコーティングメンテナンス剤です。撥水性能は滑水タイプと似ています。
メンテナンス剤ですが、コーティング未施工車にも施工可能であり、圧倒的な光沢と耐久性が備わります。別のガラスコーティングを施工した車にもメンテナンス剤として使用可能です。
ホイールやプラスチック素材などにも施工可能であり、ボディ全体を汚れや摩擦から守れる商品です。施工方法も洗車後に塗り込み、仕上げ拭きするだけですので、施工経験のない人でも安心してご利用いただけます。
・SystemX RENEWの詳細はこちら
・洗車アイテム3点セットの詳細はこちら
ポリマーコーティングに関するよくある質問
最後はポリマーコーティングに関する、4つのよくある質問に答えていきます。
・ポリマーコーティングの施工価格は?
・ポリマーコーティングは自分で施工できる?
・ガラスコーティングの上にポリマーコーティングを塗って大丈夫?
・洗車機でもポリマーコーティングを施工できる?
コーティングの施工価格や施工方法に関する内容ですので、参考にしてみてください。
ポリマーコーティングの施工価格は?
ポリマーコーティングの施工価格は、カーショップに依頼した場合で1~3万円、専門店の場合は2~4万円が相場です。お店によりますが、カーショップでは簡単な下地処理とコーティング施工が一般的です。
専門店の場合は、下地処理に磨き作業などが付いており、その後にコーティング施工する流れが一般的です。この他では、ガソリンスタンドなどで、洗車ついでにオプションとして簡易施工できるお店もあります。
ポリマーコーティングは自分で施工できる?
ポリマーコーティングは、自分で施工できます。近年は多くのDIY商品が販売されており数千円ほどで購入できます。ポリマーコーティングは、被膜が柔らかく硬化しにくいため、特に施工性が高いと言えるでしょう。
ただし、洗車などの必要最低限の下地処理が必要であり、中古車の場合はボディの状態によって鉄粉やシミの除去も必要です。シミやキズが多い場合はできるだけ専門店への依頼をおすすめします。
ガラスコーティングの上にポリマーコーティングを塗って大丈夫?
ガラスコーティングの上にポリマーコーティングを塗ること自体は可能ですが、ガラスコーティングの効果が弱まる可能性があります。
また、ガラス系の被膜とポリマーの被膜は主成分が異なるため、商品によっては相性が悪くムラになったり白く濁ったりするリスクもあるため注意が必要です。ガラスコーティングの効果が弱まってきた場合は、ポリマ―コーティングではなく専用のクリーナーを使用しましょう。
洗車機でもポリマーコーティングを施工できる?
洗車機の中には、通常洗車の他にも撥水コートや光沢ポリマーといったメニューが用意されているものもあります。洗車後に、ボディ全体に溶剤を吹きかけて施工する流れで、料金は1,000~1,500円ほどです。
洗車後に軽く仕上げ拭きすることで、よりキレイに仕上げられます。手軽さを最優先にしているため、市販のポリマーコーティングと比べると耐久性は低いと言えるでしょう。
ポリマーコーティングの特徴や適性を理解した上で施工メニューを決めよう
ポリマーコーティングは独特な厚みのある艶が特徴で、施工費用を安く抑えられます。一方で耐久性が低く、ガラスコーティングと比べて寿命がかなり短いデメリットがあります。
お手入れに抵抗がなく、定期的に自分で施工するような方や、なるべく施工費用を抑えたい方に最適と言えるでしょう。現在主流であるガラスコーティングにもメリット・デメリットがあり、撥水性能によって特徴が異なります。
各コーティングの特徴を理解した上で、施工するコーティングを決めてみましょう。ガラスコーティングの品質をなるべく費用を抑えて体感したい場合は、DIY商品を試すのもおすすめです。自分に合った方法でカーライフを楽しみましょう。
著者情報
株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史
2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。