プロテクションフィルムとカーコーティングを徹底比較!それぞれの特徴も解説

愛車を長期間綺麗な状態で保ちたいと思っているオーナー様にとって、プロテクションフィルムとカーコーティングではどちらが良いのか疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。

車の美観を保護出来る点で似通った部分はあれど、プロテクションフィルムとカーコーティングでは施工する目的がそれぞれ違います

当記事では、プロテクションフィルムとカーコーティングの比較や違い、それぞれにおすすめの方の特徴、それぞれのメリット、デメリットを順番に解説していきます。

どちらを施工しようかお悩みのオーナー様に向けて執筆した記事となりますので、当記事を参考にしていただければ幸いです。

1章 プロテクションフィルムとカーコーティングの比較

プロテクションフィルムとカーコーティングの比較を詳しく解説していきます。

プロテクションフィルム カーコーティング
目的
飛び石・スクラッチ傷の保護 汚れにくくなり、光沢感が向上され美観を維持
料金
フルセット約150万
フロントセット約50万
ガラスコーティング約20万
セラミックコーティング約30万
光沢
種類にもよるが、フィルムの厚みで光沢感が少し向上 大幅に向上
保護性能
フィルムが飛来物のダメージを吸収するため非常に高い 深い傷は塗装面に達してしまう
メンテナンス
定期的なメンテナンスが必要 定期的なメンテナンスが必要
リセールバリュー
塗装面を強固に保護するため、非常に高い 深い傷に対しての保護性能は低いが、綺麗な状態を維持しやすくなる為、やや高い
水弾き性能 種類にもよるが、カーコーティングより低い 高い水弾き性能で塗装面が汚れにくくなる
耐擦り傷性能 飛び石、擦り傷対策に優れている 小傷から保護することは出来るが、深い傷から保護することは出来ない
耐紫外線性能 紫外線起因で黄ばみや劣化が生じる 耐紫外線効果で塗装面の色あせを防止することが出来る。
イメージチェンジ カラーや一部デザインを変更可能 元の塗装を活かす
施工可能範囲
塗装面の他、一部樹脂パーツ 塗装面の他、ホイールや窓ガラスにも施工可能
耐久年数
種類にもよるが3~5年 種類にもよるが3年~10年
おすすめ出来る車の種類
新車・高級車・スポーツカー 全ての車

上記の比較表の通り、プロテクションフィルムとカーコーティングを比較すると性能に似た部分はあれど、そもそも施工の目的が違う事がわかります。

傷が付着しやすい車高の低いスポーツカーや、お車に傷を付着させたくない方はプロテクションフィルム、日々のお手入れを楽にしながら、お車の美観を維持したい方はカーコーティングの施工がおすすめです。

2章 プロテクションフィルムがおすすめな方の特徴

プロテクションフィルムがおすすめな方の特徴

プロテクションフィルムの施工がおすすめな方の特徴をご紹介します。

①高級車や輸入車、スポーツカーをお持ちの方

高級車や輸入車の場合、飛び石などで塗装面が傷ついてしまい部品交換をする際、飛び石被害が多いフロント周りでおおよそ100万円前後の費用が発生する他、部品がない場合は長期間お車に乗れない状態になることも考えられます。

また、車高が低いスポーツカーの場合は、その他の車に比べ、飛び石被害が多く発生しやすくなるため、高級車や輸入車、スポーツカーをお持ちの方は費用対効果が高いと言えるため、プロテクションフィルムの施工がおすすめです。

※国産車で10万円前後でパーツ交換が可能な場合は、費用対効果の点でプロテクションフィルムはおすすめしません。

②愛車に飛び石傷や擦れ傷を付着させたくない方

車のボディは日常的な走行や駐車中に飛び石や砂利、擦り傷などのダメージを受けることがあります。サーキット走行などの過酷な環境下での走行が多いお車も、プロテクションフィルムを施工することで塗装面を傷や飛び石から強固に保護するため、愛車に飛び石傷や擦れ傷を付着させたくない方に特に適しています。

③リセールバリューを向上したい方

プロテクションフィルムは剥がすことも可能なため、リセールバリューを向上させる点でも役立ち、乗り換えをご検討の方にもおすすめです。

プロテクションフィルムは上記の説明の通り、お車の塗装面を強固に保護しますので費用対効果が高く、施工することで様々なメリットが得られます。

プロテクションフィルムの特徴については4章にて詳しく解説しています。

関連記事:プロテクションフィルムとは|カービューティーIIC

3章 カーコーティングがおすすめな方の特徴

カーコーティングがおすすめな方の特徴

カーコーティングの施工がおすすめな方の特徴をご紹介します。

①新車の輝きを長く維持したい方

購入したばかりの新車を美しい状態を保つためには、早い段階でカーコーティングを施工することが効果的です。塗装面を紫外線や酸性雨、鳥のフンなどのダメージから保護するため、新車特有の輝きを持続させたい方におすすめです。

参考動画:ランボルギーニ ウラカンにセラミックコーティング【SystemX】

②メンテナンス性を向上させたい方

カーコーティングにより仕上がった塗装は表面が滑らかになり、汚れの付着を減少させます。長距離ドライブやアウトドアでの移動中も車を清潔に保ちやすくなるほか、洗車時にはカーコーティングの撥水効果で汚れを強く弾くようになるため、メンテナンス性を向上させるので、お車の維持の手間を減らしたい方におすすめと言えます。

カーコーティングの特徴については5章にて詳しく解説しています。

関連記事:車のコーティングって必要?メリットや業者,種類の選び方を解説|カービューティーIIC

4章 プロテクションフィルムのメリットとデメリット

プロテクションフィルムのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

プロテクションフィルムのメリット

プロテクションフィルムのメリットは以下となります。

・飛び石傷・擦れ傷に対する塗装の保護
・イメージチェンジが可能
・剥がすことで元の状態に戻すことが可能

それぞれ詳しく解説していきます。

飛び石傷・擦れ傷に対する塗装の保護

プロテクションフィルムは150μの厚みがありますのでボディの保護には最適です。また、伸縮性や柔軟性に優れていますので、飛び石や擦れなどの衝撃を吸収し、ボディに傷が入ることを軽減します。

下記画像は一見、板金塗装対応が必須な大きな擦り傷が付着しているリアフェンダーの画像ですが、フィルムを剥がして確認した際、塗装には傷一つありません。

塗装を保護できる期待値が高い為、ボディの保護には最適です。

擦り傷の付着したプロテクションフィルムを剥がした際のリアフェンダー

※擦り傷の付着したプロテクションフィルムを剥がした際のリアフェンダー

参考動画↓
【実験動画】プロテクションあり・なしの比較検証|ワイヤーでゴシゴシ削る!?

イメージチェンジが可能

レクサスRX500hにマジョーラカラーのプロテクションフィルム施工

※レクサスRX500hにマジョーラカラーのプロテクションフィルム施工

プロテクションフィルムには様々な種類があります。車体のカラーにマット(艶のない状態)な質感を与えることが出来るプロテクションフィルムや、ブラックやカーボン仕様などのカラープロテクションフィルムも存在します。飛び石・擦れ傷に対するお車の保護性能はそのまま、イメージチェンジが可能です。

剥がすことで元の状態に戻すことが可能

↑経年劣化で黄ばみが生じたプロテクションフィルム

↑経年劣化で黄ばみが生じたプロテクションフィルム

プロテクションフィルムは経年劣化で黄ばみ劣化や傷の付着が生じますが、その場合も剥がして元の状態に戻す事が可能です。

プロテクションフィルムのデメリット

お車の塗装面を強固に保護できるプロテクションフィルムにもデメリットがありますので下記でご紹介します。

・施工費用がカーコーティングと比較して高額になる場合が多い
・剥がす際に塗装剥離のリスクがある
・施工店が限られる

それぞれ詳しく解説していきます。

施工費用がカーコーティングと比較して高額になる場合が多い

日産GT-Rにプロテクションフィルム施工する際の参考価格

フルセット フロントセット
カーコーティング
(SystemX 基本コース)
¥1.560.000 ¥531.500 ¥177.100

プロテクションフィルムを施工する際は、カーコーティングよりも下地処理に大幅に時間を要するため、施工費用が高額になる場合が多いです。

参考例として、当ブログ運営カービューティアイアイシーが日産GT-Rに施工する場合の参考価格が上記の表となります。プロテクションフィルムの貼り替えは2~3年を推奨している為、カーコーティングは約3年耐久の価格を記載しております。*2025年1月現在の費用相場となります。

剥がす際に塗装剥離のリスクがある

プロテクションフィルム剥がし

メリット➂で剥がして再施工が可能とお伝えしましたが、経年車や塗装の状態によって、剥がす際に塗装剥離のリスクも生じます。

長期間紫外線や高温にさらされていたプロテクションフィルムは粘着力が強まっている場合が多く、剥がす際に塗装も一緒に剥がれてしまう可能性も考えられます。プロテクションフィルム施工前にカーコーティングを施工することで、塗装剥離のリスクが軽減可能です。

施工店が限られる

カービューティーアイアイシーのフィルム専用ブース

↑当ブログ運営カービューティーアイアイシーのフィルム専用ブース

プロテクションフィルムは施工環境と施工技術によって大きく仕上がりが変わり、専門的な技術と埃やゴミの侵入リスクを最大限に減らす施工環境が重要となります。プロテクションフィルムの施工には高い技術力と最適な環境が整った専門店での施工がおすすめなため、施工店が限られてしまいます。

5章 カーコーティングのメリット・デメリット

カーコーティングのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

カーコーティングのメリット

カーコーティングのメリットは以下となります。

・防汚性効果の向上
・効果の持続期間が最大約10年
・スクラッチ傷の付着防止
・カーコーティング特有の美しい光沢感が生まれる

それぞれ詳しく見ていきます。

防汚性効果の向上

カーコーティングのメリット 防汚性効果の向上

カーコーティングを施工することで水弾き性能が向上し、汚れや水滴が流れ落ちるため、雨が降るだけで比較的汚れが落ち、防汚性効果が期待できますので、お車の美観を維持しやすくなります。
関連記事:車のコーティング水弾きの違いは何?水の弾き方をプロが徹底解説|カービューティーIIC

効果の持続期間が最大約10年

カーコーティングのメリット 効果の持続期間が最大約10年

カーコーティングの種類にもよりますが、当ブログ運営カービューティーアイアイシーが取り扱うSystemX(セラミックコーティング)の持続期間は最大で約10年となります。適切な時期にお車の状態に合ったメンテナンスを施工することで、持続期間を延ばすことが可能です。
関連記事↓
ガラスコーティングの寿命を長持ちさせる方法|カービューティーIIC
セラミックコーティングの寿命は?寿命を延ばす方法をプロが直伝!|カービューティーIIC

スクラッチ傷の付着防止

カーコーティングのメリット スクラッチ傷の付着防止

カーコーティングを施工することでコーティング被膜が形成され、スクラッチ傷が塗装面に付着するのを軽減する効果があります。プロテクションフィルムのように飛び石などのダメージを防ぐことは難しいですが、お手入れの際に付着する洗車傷などの浅い傷の付着を軽減し、綺麗な状態を維持することが出来ます。
関連記事:洗車キズ、磨き傷の対策|カービューティーIIC

カーコーティング特有の美しい光沢感が生まれる

カーコーティングのメリット カーコーティング特有の美しい光沢感が生まれる

↑当ブログ運営カービューティーアイアイシーセラミックコーティング(SyatemX)施工後のポルシェ911タルガ

コーティング被膜が形成されることで、深い輝きと光沢感が向上します。コーティング被膜が厚く形成されるほど光沢感が向上し、新車時のような輝きを実現することが出来ます。

カーコーティングのデメリット

カーコーティングのデメリットについて解説していきます。

・飛来物から保護することは出来ない
・定期的なコーティングメンテナンスが必要
・車の状態で施工費用が変動する

それぞれ詳しく解説していきます。

飛来物から保護することは出来ない

カーコーティングはお車の美観の維持を目的とした施工です。スクラッチ傷などの浅い傷から塗装面を保護する効果はありますが、飛び石などの飛来物から完全に保護することは出来ません。詳しくはセラミックコーティングで飛び石対策ができない理由と対策法を解説|カービューティーIICを参考にご覧ください。

定期的なコーティングメンテナンスが必要

カーコーティングのデメリット 定期的なコーティングメンテナンスが必要

カーコーティング施工後は、防汚性効果や汚れ落ちが良くなることから、メンテナンスはしなくていいと思われがちですが、定期的なメンテナンスはコーティングの効果効能や持続期間に大きく影響します。メンテナンスの詳細はコーティングメンテナンスとは?必要性とメンテナンス頻度を解説|カービューティーIICをご参照ください。

車の状態で施工費用が変動する

お車の状態によって、下地処理の段階で研磨作業を行う場合は、カーコーティング施工とは別途で料金が発生するケースがあります。費用を抑えたい場合は納車から2週間以内にカーコーティングを施工することをおすすめします。カーコーティングの費用については車のコーティングの価格相場ってどれくらい?こっそりプロが教えます|カービューティーIICをご参照ください。

6章 プロテクションフィルムとカーコーティングの比較についてよくある質問

プロテクションフィルムとカーコーティングの比較についてよくある質問3つにお答えしていきます。

Q1 両方を同時に施工することはできますか?
Q2 どんなボディカラーの車にも問題なく施工出来ますか?
Q3 プロテクションフィルムやカーコーティングを施工すると元の塗装に影響はありますか?

それぞれ下記で詳しく解説していきますので是非参考にしてみてください。

Q1 両方を同時に施工することはできますか?

A 可能です。プロテクションフィルム施工の前にカーコーティングを施工することで、剥がす際の塗装剥離リスクを軽減できるため、あわせて施工することをおすすめします。

また、プロテクションフィルムの上からコーティングを施工することも出来、撥水効果や光沢感、フィルムの寿命を向上させる効果が見込めますので、どちらも施工することが好ましいと言えます。
プロテクションフィルムコーティングについてはコチラ

Q2 どんなボディカラーの車にも問題なく施工出来ますか?

A どちらも問題なく施工することが出来ます。
プロテクションフィルムは、透明度の高いフィルムを施工することで、元のお車の色味や風合いを変えることなく施工することが出来、カーコーティングは元のお車の色に深い艶感・光沢感がプラスされます。

参考記事:硬化型ガラスコーティング4つのメリット,デメリットと注意点をIICが解説|カービューティーIIC

Q3 施工した場合、元の塗装に影響はありますか?

A 劣化したプロテクションフィルムを放置してしまうと、剥がす際に塗装剥離のリスクが高まります。

元の塗装に影響を与えないためにも、貼り替え時期はプロに相談するようにしましょう。プロテクションフィルムの場合、お車の駐車環境や使用頻度でフィルムの劣化速度に変動はありますが、貼り替え時期は施工から約2~3年を推奨しております。

カーコーティングの場合、施工環境や技術者によってシミやムラができるリスクがあります。カーコーティングに最適な環境と技術者がいる施工店を選ぶことが重要となります。

参考記事↓
プロテクションフィルムの寿命はどれくらい?長持ちさせる秘訣もプロが伝授
車のコーティングおすすめ専門店9選と後悔しない8つのチェック事項

まとめ

当記事では施工目的の違いとして、車に傷を付着させたくない方はプロテクションフィルム、メンテナンス性を向上させたい方はカーコーティングの施工がおすすめである事。

れぞれにおすすめの方の特徴、それぞれのメリット、デメリットに焦点をあててプロテクションフィルムとカーコーティングの比較について解説しました。

求める効果を考えた上で施工選びをすることが非常に重要です。

プロテクションフィルム、カーコーティングと大まかなくくりでご説明させていただきましたが、その中でも種類がありますので、詳細が気になる方は下記記事を参考にご覧ください。

どちらが良いのか悩めるオーナー様に向け、施工選びの参考となれば幸いです。

関連記事↓
車のコーティングは全4種類!各特徴と愛車にマッチする種類の選び方|カービューティーIIC
プロが解説するプロテクションフィルムの種類とおすすめのメーカー2社|カービューティーIIC

著者情報

株式会社カービューティーアイアイシー
代表取締役社長 舊役 哲史

2008年にガラスコーティング専門店の株式会社カービューテイーアイアイシーに入社
現在まで2,000台以上のカーコーティング,ガラスコーティングの施工実績を持ち、特に輸入車などの施工実績が豊富である。カーコーティングのオプション作業としてホイールコーティングの実績も豊富で様々な知識と技術力を有す。